衛生悪化、下痢に苦しむロヒンギャ難民……日赤医師が語る難民キャンプの今
難民も共に自分たちのキャンプ環境を整備する
昨年10月、筆者もバングラデシュで難民キャンプを取材しましたが、そのときは日々ロヒンギャの人たちが入ってきて、NGOなどの支援が十分追いついていない状況でした。 あれから8カ月、最新の現地の状況を小林さんの話を通して垣間見ることができました。ただ一方的に手を差し伸べるのではなく、現地の人々の話を聞き、共に活動を行うなど、難民として暮らす人々に対して、あるべき支援の形を目指しているようでした。 ロヒンギャの人たちにとって難民キャンプでの暮らしは、あくまで一時的なもので、いつか自分達の故郷へ戻りたいという思いがあります。緊急医療支援から地域保健活動へ ── 。故郷に無事戻れる日まで、ロヒンギャの人々が健全に暮らせるように、共に難民キャンプの環境を整備していく、そんな中長期的な支援への転換期に差し掛かっているといえそうです。 【日本赤十字社】現在バングラデシュ、ミャンマーの両国でロヒンギャ難民支援に取り組んでいる。支援に対する寄付も受け付けている。HP: ---------- ■森 佑一(もり ゆういち) 1985年香川県生まれ。2012年より写真家として活動を始める。2012年5月には DAYS JAPAN フォトジャーナリズム学校主催のワークショップに参加。これまでに東日本大震災被災地、市民デモ、広島、長崎、沖縄を撮影。現在は海外にも活動の場を広げ、戦争や迫害により故郷を追われ難民として暮らす人々の撮影を中心に取材を行っている。HP: