行政書士試験の合格率はどのくらい? 気になる年収や仕事内容を解説
さまざまな士業の中に「行政書士」という資格があります。行政書士は「街の法律家」ともいわれ、弁護士や司法書士などに比べ、身近な存在でもあります。とはいえ、行政書士になるのは決して簡単なことではありません。簡単に取れない資格だからこそ、収入も多いのでは?と思っている人も多いでしょう。 そこで今回は、行政書士のなり方や仕事内容、年収などについて解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
行政書士とは?
行政書士とは、その名の通り「行政」に出す「書類」を作成する人のことです。街の法律家と言われてはいるものの、お世話になったことがない人も多いでしょう。 行政書士になるためには「行政書士試験」に合格し、居住地の行政書士会に入会したうえで、日本行政書士会連合会の行政書士名簿へ登録される必要があります。 まずは、行政書士の試験の難易度や仕事内容、年収などについてご紹介します。 ◆行政書士試験の難易度 行政書士試験は、年に1回毎年11月に実施されています。試験内容は「行政書士の業務に関し必要な法令等」が択一式・記述式で46問、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」が択一式で14問出題されます。 なお、令和5年実施の試験は、受験者数4万6991人に対し、合格者は6571人で、合格率はわずか13.98%でした。例年10%~13%程度となっており、非常に難易度の高い試験といえるでしょう。 ◆行政書士の仕事内容 行政書士の仕事は、官公庁に提出する書類や契約書などの権利義務に関する書類、議事録などの事実証明に関する書類の作成や相談業務などです。会社を設立する、お店を開店する、家を建てるなどの行為は、想像以上に作成しなければならない書類が多いもの。これらの業務を代行してくれる専門家が行政書士なのです。 独立して行政書士事務所を開く人もいますが、中には一般企業の法務部門でその知識を活かして働く人もいます。 ただし、一般企業に入社した場合、行政書士会に登録ができないため、行政書士の肩書ではなく一社員として仕事をすることになります。 ◆行政書士の年収 難易度の高い試験であるうえに士業であれば、年収もかなり高いのでは?と思う人もいるでしょう。 令和5年賃金構造基本統計調査を基に、年収を算出したものが表1です。なお、行政書士が該当する「他に分類されない専門的職業従事者」は、不動産鑑定士や通訳、司書なども含む数字となっています。 表1