「北と南では食べるカレーが違うんだ」南インド出身シェフが経堂で伝える母国の食文化
ちなみにインドは酒も豊富で、ビールやテキーラ、ワインまである。これらの酒を楽しみながら、インド気分に浸るのもいいだろう。
「マトンチュッカ」1300円 その酒にピッタリなのが、こちら。マトンをドライグレイビーソースで炒めたもの。スパイシーな一品で、ビールと相性抜群だ。
さて、インドには「インディアンチャイニーズ」という料理ジャンルがあるのをご存知だろうか? これはインドに移住した中国人から中華料理が広まる過程で、インド人の味覚に合わせて、スパイスなどでアレンジが加わったもの。 「インドでも中華はすごい人気なんだよ」と話すシャンカーさんが手がけるインディアンチャイニーズも味わうことができる。
「ゴビ マンチュリアン」900円 こちらの料理は、揚げたカリフラワーを炒めたもので、インドでは定番料理だという。スイートチリのような甘さとピリっとした辛さが絶妙のバランスで、クセになる味だ。 驚くのは、揚げたカリフラワーの食感。エビのようなプリッとした弾力があり、これが本当にカリフラワーなのかとインド中華の奥深さを感じる。
インドでも日本でも、シェフとして働いてきたシャンカーさん。どんなところに日本とインドとの違いを感じているのだろうか。 「インドと日本では、野菜もスパイスも味が全然違う。ここで南インドと同じ味を再現するのは難しかったね。マサラやサンバルパウダーは日本でも売っているけど、インドのものとは香りが違う。 だから、これらのスパイスや、日本で手に入らないドラムスティック(モリンガ)などは、インドから取り寄せているよ」。 お腹もいっぱいになったところで、最後に忘れずチェックしてほしいのが、カウンターに並べられた南インドのおやつ。
ココナッツのケーキや、スパイスとハーブを効かせた酒にぴったりのスナック菓子など、これらも全てシャンカーさんの手作り。スナック菓子は、細い生地から全て手作りをしているというほどのこだわりようだ。 どのお菓子も素朴な味わいながら、絶妙のスパイス感で、家族へのお土産にしても、喜ばれること間違いなし。 奥深いインドのカレー文化と、南インドの料理を経堂で楽しんでもらいたい。
タンジャイミールス 経堂店
住所:東京都世田谷区経堂2-3-9 営業:11:00~15:00(14:30 L.O.)、18:00~22:00(21:30 L.O.) 定休日:不定休 日下部美沙=写真 林田順子=取材・文
OCEANS編集部