「北と南では食べるカレーが違うんだ」南インド出身シェフが経堂で伝える母国の食文化
もうひとつ、南インドの特徴的な料理が「ミールス」だ。定食を意味するこの料理は、2~3種類のカレー、ピクルス、スープ、ライスなどをワンプレートに盛り合わせたもの。本場では、ランチに食べることが多いという。 また菜食が主流なため、レストランでは肉を使わないベジタイプと、肉を使ったノンベジタイプの2種類が用意されていることが多い。実際、「タンジャイミールス」でも2種類がメニューに載っている。
「ノンベジミールス」2500円 今回オーダーしたのは、肉を使ったノンベジタイプ。 「スプーンで食べるよりも手で食べたほうが、具材とお米がよく混ざって、おいしいよ」とシャンカーさん。店内にはインド流の手で食べる方法も紹介されているので、ぜひトライしてみてほしい。
アッパラムを砕いて、ふりかけのようにご飯にかけたり、カレーとラッサムを混ぜ合わせて酸味を効かせてみたり……皿の上でそれぞれを自由に混ぜ合わせ、味変や自分好みの味を探っていくのも、ミールスの楽しいところだ。 「ミールスは、ご飯やスープをおかわりできるお店が多いね。1回だけのところもあるけれど、うちはディナーならおかわり自由だよ」(ランチは+100円でご飯と右上2つの「サンバル」と「ラッサム」を1回おかわりできる )。
「プレーンドーサ」1100円 こちらは南インドの代表的な主食のひとつ「ドーサ」。豆と米を発酵させて作った生地をクレープのように巻いたもので、運ばれてくると、まずはその大きさに驚く。
ココットのような容器の底で、きれいに生地を広げていく様は、まさに職人芸。 「ココナッツチャツネ」と「トマトチャツネ」、ミールスにものっていた酸味のある「サンバル」がついているので、ディップのようにつけながら食べるのがおすすめだ。 サイズは大きいものの、食感は軽く、まさにクレープのよう。それでいて、原料は米と豆というのだからヘルシーだ。これをつまみながら、飲む酒もまたウマそう。