小学校・中学校・高校の教員のなかでどれが一番年収が高い?採用試験倍率も比較してみた
教員というと「安定した収入」「高収入」というイメージを持つ方も多いでしょう。そのなかでも、小学校・中学校・高校の教員では、どの過程の教員が最も年収が高いか気になる方もいるかもしれません。 そこで、本記事では、小学校・中学校・高校の教員それぞれの平均年収や採用試験の倍率をご紹介します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
小学校・中学校・高校の教員の平均年収は?
総務省統計局の「令和4年度学校教員統計調査」によれば、小学校・中学校・高校の教員の平均年収は表1の通りです。
※総務省統計局「学校教員統計調査」を基に筆者作成 表1から、高校教員の年収が最も高いことが分かります。しかし表1の年収には手当や賞与が含まれていないため、変動の可能性も考えられます。さらに、公立や私立といった学校の形態によっても年収が異なり、私立高校の方が手当が手厚い場合もあるようです。 また、教員の年収は年功序列であり、勤続年数が長ければ長いほど昇給が期待できます。経験年数や習熟度などを加味して号級が決められ、それに沿って給与が上がるシステムです。さらに、役職がつくことでも年収が上がるようです。
小学校・中学校・高校の採用試験倍率を比較
平均年収が最も高かったのは高校教員でしたが、採用試験の倍率にも関連するのでしょうか。文部科学省の「公立学校教員採用選考試験の実施状況」によると、それぞれの採用試験倍率は表2の通りです。
※文部科学省「令和4年度公立学校教員採用選考試験の実施状況」を基に筆者作成 表2より、採用倍率も高校教員が最も高く、人気が高いことがうかがえます。これまでに、高校教員は年収が高く、かつ採用試験倍率も高いことが分かりました。 このような傾向がある理由としては、高い専門性が求められることがあげられます。小中学校の教員は幅広く科目を教えますが、高校ではより細分化され専門的な科目となります。また、卒業後に活かせる「看護」や「情報実習」といった科目があることも特徴です。 さらに、高校教員の職務内容は多岐にわたります。担当科目を教えるほかにも、ホームルームや学校行事、部活動などにもかかわるようです。 また、高校卒業後の進路相談への対応もあります。基礎的な学習をする小学校や中学校と比べて、今後の将来にかかわる部分にも携わる非常に重要な仕事ともいえるでしょう。