お前、なぜそんなことを…。58歳・大企業勤務のサラリーマン、悠々自適の老後を確信していたが「2,000万円の貯金消滅」で計画崩壊。原因は55歳〈専業主婦妻〉が知り合った「スマホの向こう側のお友達」【FPの助言】
「夫婦でゆったり過ごすはずの老後が…」夫、思わず絶句
とはいえ、絵里さんもいきなり大金を投じるのには躊躇しました。しかし、少額から始められると言われ、試しに30万円を投資。すると、配当金がスムーズに支払われました。 配当金が入ってきて安心した絵里さんは、続いて100万円を投資しました。これもスムーズに支払われたため、「この投資は儲かる」と確信。「たくさん投資するほどリターンも大きい」と言われ、さらに300万円を追加投資し、その後も次々と資金をつぎ込んでしまいます。 しかし、しばらくすると配当金の支払いが滞るようになりました。運営者に連絡をしても、あれこれ理由を述べて誤魔化されるばかり。最終的には投資グループは閉鎖され、運営者とまったく連絡がとれなくなってしまいました。 絵里さんが調べたところ、この投資話はSNS型投資詐欺であることが判明。そして気づいたときには、合計して2,000万円が失われていたのです。 和也さんが絵里さんの様子がおかしいことに気づいたのも、資産が失われた後のことでした。スマートフォンを見ては暗く辛そうな顔をする絵里さんから報告を受けた和也さんは、言葉を失いました。 「こんな大金を詐欺で奪われたなんて。老後計画がめちゃくちゃだ……」
50代以上がSNS型投資詐欺の標的にされる理由
50代のSNS利用率は年々増加しています。総務省のSNS利用率のデータによると、2018年から2023年の5年間で、フェイスブックは29.3%から32.6%、インスタグラムにおいてはなんと24.4%から51.7%まで増加しています。 そんななかでSNS型投資詐欺の手口も年々巧妙化しています。多くはインスタグラムやフェイスブックなどのSNSの広告からLINEグループに誘導し、参加者に投資を促します。SNSを悪用した詐欺は若者だけの問題と思われがちですが、実は50代以上の被害が大部分を占めているのです。 警察庁の調査では、SNS型投資詐欺の被害者の約70%が50代以上であることが明らかになっています。その中でも、絵里さんと同じ50代女性は女性被害者全体の29.2%を占め、最も多い割合を示しています。 この世代は「人生経験が豊富」「金銭的に余裕がある」「その一方で金融知識が十分にない」と思われ、詐欺のターゲットにされることが多いのです。 それだけではなく、以下のような心理を利用され、50代の詐欺被害が増えていると考えられます。 老後への不安:年金だけでは生活が心配なので資産を増やしたいという思い。成功願望:現役を引退する前に一発逆転を狙いたいという気持ち。周囲の影響:同世代の知人が参加していることによる安心感と出遅れたくない気持ち。
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