体の冷却と生活習慣で「暑害」を乗り切れ! 2024年版熱中症にならない酷暑対策
「体力のない高齢者が重症化しやすいのは確かですが、働き盛りの世代が仕事のために体調不良を我慢せざるを得ない状況が続き、夜になってから、ものすごくしんどくなって救急外来を受診するケースも、かなり多い印象があります」(同) 実際に横田医師が診た例では、8月の午前4時、工場勤務中の30代男性が倒れて病院に運ばれた。 「意識を喪失して無反応と、大変危ない状態でした。電気代の節約で夜間に稼働する工場も多いようですが、日中ではなく夜間にも、また若い男性でも熱中症になります」(同) 重大な体調変化を予防するために、夏バテかもしれないと感じた時点で、かかりつけ医に相談しておくことも考えたい。 「食欲不振、だるい、軽い頭痛、不眠といった夏バテくらいなら、自分でなんとかしようという人は多いと思いますが、熱中症の発症は、体調の影響が大きい」(同) 夏バテは熱中症とつながっていると考えて、体調に気を配りたい。いつもの頭痛が激しい頭痛になったり、だるさが強い倦怠感(けんたいかん)になったりなど、普段と違う体調変化は熱中症の疑いがある。大きな保冷剤などを脇の下や脚の付け根に当ててすぐに体を冷やす。 もしも自力で水を飲めない、声をかけても応答がおかしい、普段とは受け答えが違う様子なら、迷わず救急車を呼ぶ。 × × × 「実は、みなさんが健康になることは温暖化を止めることにつながり、また、温室効果ガスの抑制はみなさんを健康にするんです」と、みどりのドクターズの呼びかけ人である、佐々木隆史医師は言う。 医療業界が排出する温室効果ガスの割合は、国内全体の約5%を占める。意外と大きい。 「温暖化により患者が増えることは明らかで、そこを変えたい。ひとが運動と食事の習慣を変えて服薬を減らすことも、CO2削減につながります。昔でいう、三方よし、いまの言葉で〝コベネフィット(Co-Benefit)〟があるんです」(佐々木医師)
例年の暑さも、慣れたつもりで油断すると危険だ。日々の体調に気をつけて、なんとか乗り切りたい。 (ライター 三村路子) 6月25日発売の「サンデー毎日 7月7日号」には、ほかにも「怒涛のステルス増税が家計を襲う」「2024年都知事選 水面下でうごめく小池百合子と蓮舫の組織票」「和田秀樹 元気で活動的な高齢者”シン・老人”こそ日本再生の切り札だ!」などの記事も掲載しています。