さようなら、安城の「ガリバー」 子どもたちを見守り続けて半世紀 体ボロボロでついに旅立ちの時を迎える 世界に一つだけ・・・と思いきや、意外な場所にもう1体 愛知・安城市
愛知県安城市で多くの人たちから長らく愛されてきた「ガリバー」。半世紀にわたり子どもたちを見守り続けてきましたが、ついに旅立ちの時を迎えました。
45年愛された「ガリバー」 子どもたちの思い出残し撤去へ・・・
愛知県安城市に「ガリバー」がいると聞きつけて、現場に向かった取材班・・・ですが、そもそも「ガリバー」って一体何なのでしょうか? 街の人に話を聞いてみると「私が子どものときからあった気がします」「ガリバーで何回か遊んだね」「ビジュアルがね、小さい子を連れてくると『怖い』って」といった声が…。
何回か遊んだ? ビジュアルが怖い? 聞けば聞くほど謎が深まる「ガリバー」の正体。市内の「秋葉公園」にあるというのでさっそく行ってみると、そこには・・・巨大な人型の像が! この公園が開園した約45年前から設置されているということです。
実はこれ、童話『ガリバー旅行記』の主人公「ガリバー」をモチーフにしたもの。物語のあらすじは、ガリバーが冒険中に遭難し、たどり着いた小人の国で敵として扱われますが、その後、互いにわかり合っていくという内容。約300年前に出版され、世界中の人に愛され続けている作品です。
安城のガリバーは、子どもたちが物語の登場人物になった気分で遊べるよう、全長10メートルの巨大な姿にしたそうです。子どもの頃に遊んだことがあるという人たちが「結構急だったから、一生懸命のぼってた記憶があります」「父親と一緒にしょっちゅう来ていましたね」と話すように、童話と同じく、長年この公園で多くの人たちに愛されてきました。
そんなガリバーですが、なんと2年ほど前から遊べなくなっているというのです。 安城市 公園緑地課 村越美帆さん: 「ガリバーが老朽化により、遊ぶのが危険な状態になってしまい、撤去する運びとなりました」
約半世紀、子どもたちを見守り続けてきたガリバーですが、老朽化により旅立ちが決定したのです。市役所では最後の思い出にと、ガリバーと記念撮影ができるブースや、お別れの言葉を伝えるメッセージボックスなどが設置されていました。