【百貨店決算おさらい】インバウンド売上好調、注目トピックまとめ〈2023年度〉
インバウンド売上が過去最高を更新するなど、円安の加速が業績の“追い風”となった百貨店業界。三越伊勢丹HD、高島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店の大手4社の2023年度の業績と主なトピックスを解説するとともに、今期のポイントをまとめた。 【画像】“百貨店でプロレス催事”も話題に
※()内の増減は前年同期比
三越伊勢丹HD
■三越伊勢丹ホールディングス 百貨店業 通期業績(2023年4月~2024年3月) 総額売上高:1兆1373億4100万円(11.8%増) セグメント利益:451億5900万円(121.0%増)
2025年3月期の注目
・百貨店業は全体で営業利益515億円を計画し、500億円の大台を突破する見通し。 ・伊勢丹新宿本店では初めて4000億円を超える計画。三越銀座店も過去最高の更新を目指す。 ・地域各社については岩田屋三越を中心に大きく売上を伸ばす考え。 ・国内百貨店のインバウンド年間売上は1563億円(前期比44%増)を計画。この数字は、コロナ前の年間売上高の2倍強にあたるという。5月14日時点で足元の状況は好調で、通期目標をクリアする水準で推移している。 ・中国・上海市で展開する「上海梅龍鎮伊勢丹」を6月30日に閉店。 ・タイ・バンコクの複合開発「ワン バンコク」のオフィス事業と小売事業への参画を発表。 2025年3期通期業績予想 総額売上高:1兆1820億円(3.9%増) セグメント利益:515億円(14.2%増)
高島屋
■高島屋(国内百貨店)通期連結業績(2023年3月~2024年2月) 総額売上高:7900億円(6.9%増) 営業利益:204億円(85.5%増)
2025年2月期の注目
・2024年度のインバウンド売上は目標850億円(前年比24%増)を見込む。中国の団体旅行の増加でなく、円安や他の地域からの訪日の増加などを織り込んでいる。ただし保守的な設定であり、達成は十分可能としている。 ・柏高島屋ステーションモールが、春のリニューアルを実施。 ・タカシマヤ ゲートタワーモールが開業以来最大規模のリニューアルを実施。 ・玉川高島屋S・C「ガーデンアイランド」が5月に閉館。 ・「高島屋岐阜店」が7月末に閉店。 2025年2期通期業績予想 総額売上高:8266億円(4.6%増) 営業利益:225億円(10.5%増)