レポ市場での借り入れコストが急上昇、銀行のバランスシート目詰まり
(ブルームバーグ): 金融機関の日常的な借り入れニーズを満たすレポ市場に関連する主要金利が、年初来の最高を記録した。米国債入札の決済額が膨らみプライマリーディーラーのバランスシートが目詰まりを起こしたことで貸し出し能力が抑制されたためだ。
2日に公表されたニューヨーク連銀のデータによると、1日の担保付翌日物調達金利(SOFR)は7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し5.40%となった。これは、1月2日と昨年12月28日に記録した導入来の最高に並ぶ。
米連邦準備制度理事会(FRB)は量的引き締め(QT)を通じてシステムから流動性を引き揚げているが、市場の緊張が高まる可能性に配慮しそのペースは遅い。
それでも、先週見られたように四半期末の時期にはボラティリティーが高まる。四半期末は銀行が規制対応のためにバランスシートを補強する必要に駆られレポ取引を縮小する傾向があり、借り手は代替の借り入れ先を見つけるか返済することになる。
同時に、米国債発行増はレポ市場での借り入れのための担保が増加することを意味する。
ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は「これは新たな常態かもしれず、FRBがランオフ(償還に伴う保有債券減少)の上限を引き下げた理由の説明になる」と述べた。「記録的な発行規模と決済額、過去最高に近いプライマリーディーラーの保有高から、最終的にはバランスシートに制約が生じる。年末に見られる状況に近いようで、レポ市場の正常化には数日かかるかもしれない」と語った。
今回の動きは昨年末に見られた混乱に似ているが、SOFRが一晩で2倍以上になった2019年9月の極端さからは程遠い。しかし、18-19年にかけての緊張の前触れと同じ状況が再び現れ始めている。ディーラーの国債保有残高は史上最高水準に近く、翌日物レポ金利は上昇を続けている。その結果、レポ金利、ひいてはそこから算出されるSOFRが入札決済日以降に正常化するまでに時間がかかっている。