マカオのIR併設ホテルで強盗殺人事件発生…被害者は違法両替従事、仲間の男ら逮捕
マカオ司法警察局は8月8日、同月7日午後にコタイ地区の統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室で発生した強盗殺人事件について、40代の中国本土居民の男を加重殺人及び加重強盗罪で、この男から現金を受け取りゲーミングチップへ両替するなどして資金洗浄を行った40代の香港居民の女をマネーロンダリング罪でそれぞれ逮捕、検察院送致したと発表。 被害者は香港居民の中年男性で、上述の男女とともにマカオで違法両替に従事するパートナーの間柄だったとのこと。 被害者の家族から近日音信不通になったとしてホテルへ連絡が入り、7日午後5時頃、ホテルスタッフが確認のため客室を訪れた際、客室のバスルームで大量の血を流して仰向けに倒れている男性を発見し、消防へ通報したのが発覚のきっかけ。 男性の頸部には長さ約20センチの致命傷があったほか、前頭部の骨折、全身にさまざまな傷も確認され、客室内から血まみれの折れた刃物2本が見つかったが、凶器の全体は発見されておらず、現場には片付けをした痕跡があったとのこと。 消防から同局に通知があり、捜査に着手。被害者は7日未明にカジノで勝ち、250万香港ドル(日本円換算:約4725万円)のゲーミングチップを現金に両替した上、同日午前10時に客室に戻り、その直後と午後に男が二度にわたり部屋を訪ね、一度目は1時間半、二度目は3時間にわたって客室内に滞在。いずれも部屋から出る際に袋を持っており、一度目に部屋から持ち出した袋はカジノ内の目立たない場所で女に手渡し、女がカジノでゲーミングチップに両替した上、面識のない違法両替商を通じて中国本土の銀行口座へ送金していたこと、男は二度目に部屋を出た後、タクシーでIRを離れたことなどがわかったとした。 同局が迅速に容疑者2人の身元を特定し、通報から約1時間50分後に女を同IR施設内のカジノ、さらに約1時間後に男を同IR付近の路上で男をそれぞれ逮捕。その後、同局が男の所持品及びタイパ島にある住居から合計約130万香港ドル(約2457万円)の現金を発見。男は犯行後、二度にわたって着替えをしており、タイパ島にあるスーパー入口外から血のついた衣服及び被害者のスマートフォン2台が発見されたという。 犯行動機について、男はカジノに負けたばかりだったといい、同局では被害者が多額の現金を手に入れたことを知り、犯行に及んだものとの見方を示した。女については、男の資金移転の支援をすることでコミッションを得ており、逮捕時に5万香港ドル(約94万円)の現金と24万香港ドル(約453万円)分のゲーミングチップを所持していたとのこと。目下、同局は残る現金及び凶器の行方を追っているという。 近年、マカオでは違法両替従事者をめぐる事件やトラブルが頻発していることから、警察が重点取り締まり対象としている。