10人に4人が孤独感とメンタル不調を経験、7割弱が「専門家への相談は困難」フリーランスのメンタルヘルス実態調査
11月1日に施行予定のフリーランス保護新法は、フリーランスの権利を保護し、より安定した働き方を支援することを目的としている。しかし現状では、多くのフリーランスが孤独を感じ、適切な相談先を見つけられていないようだ。ITフリーランス向けのマッチングサービス「TECHBIZ」の運営などを行うテックビズ(東京)は、10月10日の世界メンタルヘルスデーに合わせて、フリーランスのメンタルヘルスに関する実態調査結果を公表した。8月2日から8月20日にかけて、インターネットを通して20~60歳の男女フリーランス600人に調査した。 調査の結果、フリーランスの10人に4人の40.7%が仕事中に孤独を感じたことがあり、41.8%がメンタルヘルスの不調を経験していた。そして、67.8%がメンタルヘルスの専門家への相談が困難と回答。64.3%が「孤独感や不安に関して気軽に相談できる相手がいない」と感じていた。孤独を感じる主な要因としては、「仕事の獲得・維持の難しさ」、「健康保険や福利厚生の不足」、「仕事上の相談相手や同僚の不在」が上位3位に入った。フリーランスの不安定な立場が孤独感を助長している実態が浮かび上がった。 テックビズは、今後フリーランスの増加が見込まれる中、これらの課題に対する具体的な支援策の実施が急務と指摘。フリーランス向けの適切なメンタリングプログラムや信頼できる相談相手のネットワーク構築、そして福利厚生の整備が解決への鍵としている。具体的には、コワーキングスペースの活用やオンラインコミュニティーへの参加促進など、物理的・仮想的な“つながり”を提供する取り組みや、フリーランスの孤独やメンタルヘルスサポートを体系化し、キャリアステージや背景に応じた支援策を整えることが、多様性のある健全なフリーランス市場の発展と個々のフリーランサーの成長に不可欠と指摘している。