3代目ご老公からは「あり得ない」と言われ…里見浩太朗が明かす「水戸黄門」の舞台裏 新シーズンの第1話に“火事”のシーンが登場する理由
第1回【「大岡越前」キャストとの豪華ゴルフコンペも 里見浩太朗が明かす「水戸黄門」秘話…「撮影の合間にご老公や弥七と将棋のトーナメントをしていましたね」】を読む 【写真】「控えおろう!」助さん格さんの歴代コンビ、心に残っているのは? 「この紋所が目に入らぬか!」――TBSドラマ「水戸黄門」が全43部でついに終了というニュースは、2011年12月の日本をざわつかせた。2017年にBS-TBSでまさかの復活を果たすものの、多くの人が懐かしく思い出すのは2011年12月19日放送の2時間スペシャルで終了した地上波版だろう。 ナショナル劇場(後のパナソニック ドラマシアター)で放送された42年間のうち、助さんを17年、黄門様を9年演じた里見浩太朗さんは、映画「水戸黄門 天下の副将軍」(1959年)での格さん役を含め、「三役」全てを演じた唯一の役者だ。そんな里見さんは地上波版の最終回当時、「週刊新潮」にとっておきの「水戸黄門・ウラ話」を明かしていた。こんな時代だからこそ染みる勧善懲悪の物語。里見さんのウラ話を聞けば、もう一度シリーズを観返したくなること請け合いである。 (全2回の第2回:「週刊新潮」2011年12月15日号「『里見浩太朗』の『水戸黄門』楽ありゃ苦もある舞台裏」をもとに再構成しました。文中敬称略)
京都と東京の往復を5年半
《一方で、里見さん自身も「2番組」掛け持ちという荒業に挑戦していた》 三船プロが作っていた東京12チャンネル(現・テレビ東京)の「大江戸捜査網」に出演することになり、土日月の3日間だけスケジュールを譲ったんです。黄門を撮っていた京都太秦(うずまさ)と東京を往復する生活が、5年半続きました。 3日間で1話分撮るというのは至難の業で、三船プロから東映に「火曜日の午前中までください」と、よく泣きの電話を入れたものです。それでも、生田オープン(川崎市生田にあった時代劇用のオープンセット)で夜間ロケをしていると次第に夜が白んで来る。「あと何カットある」「間に合わない!」。そんな具合で結局、朝一番の新幹線に乗り遅れることが何度もありましたね。 女優さんの役名も、よく言い間違えた。「水戸黄門」で助さんの妻「お志乃さん」を演じる山口いづみ君を、「大江戸捜査網」の役名の「お紺さん」と呼んじゃったりね。