もう一つのアナログ音源「カセットテープ」に再注目 若者人気もじわり
「小さくてかわいい」と新鮮
購買層はテープに慣れ親しんだ40~50歳代が中心のようですが、「ファッションが好きで、おしゃれに敏感な若者層が、小さくてかわいいとデザイン性の高さに注目しているようだ」と竹野店長は指摘。「テープ独特のこもった音が耳になじむという面がかえって新鮮なようで、若い女性が一人で見て選んでいることも多い」といい、カセットテープを知らない世代にも広がっています。 国内アーティストも最近ユニコーンやサニーデイ・サービスがカセットテープ作品を発表したほか、大貫妙子が約40年前に発表したセカンドアルバム「SUNSHOWER」をカセットテープで再販しました。アイドル業界でもでんぱ組.incなどが新譜をテープで出しています。
70年代の人気モデルを復刻
1966年に国内初のカセットテープを製品化した日立マクセルは発売50周年を記念して、昨年11月末に70年代の人気カセットテープモデル「UD」シリーズのデザインを復刻した製品を限定6万本発売しました。オープン価格ですが60分テープで390円程度といいます。「カセットテープになじみ深い世代にはノスタルジーを、若い世代には新鮮さが感じられる製品。発売前から問い合わせも多く、順調な売れ行きを示している」(同社)。 日本産のカセットテープの品質は高く評価されており、特にメタルテープはネットオークションで高値で取引されているといいます。 一方、テープをどのように再生するかという問題があります。再生のみができる数千円のプレーヤーもあるようですが、より音を楽しみたいというユーザーは数万円単位のビンテージラジカセを購入する人も少なくないようです。「2017年前半には国産メーカーが1万5千円程度のハードを投入するという話もあるようだ。デザイン性の高いハードが登場すればよりカセットテープに注目が集まるのではないか」(竹野店長)とみています。