ネタニヤフ氏の元報道官、機密漏えいか 身柄を拘束
【AFP=時事】イスラエル中部リションレツィオン(Rishon LeZion)の裁判所は3日、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の元報道官が、パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)に拉致された人質の解放交渉の妨げとなる可能性のある機密文書を漏えいした疑いで、身柄が拘束されたと発表した。 【写真4枚】イスラエル首相の私邸に無人機攻撃 負傷者なし(10月) 拘束されたのは元報道官のエリエゼル・フェルドシュタイン氏のほか、治安当局者ら3人。 ネタニヤフ氏は停戦交渉に絡み、極右の連立パートナーの歓心を買うため紛争を長引かせているのではないかと以前から批判されてきたこともあり、同氏自身、漏えいに関与していたのではないかとの疑惑も浮上している。 今回の漏えいをめぐっては、英週刊紙ジューイッシュ・クロニクルと独紙ビルトが9月、機密軍事文書に基づいた記事を公開。これを受け、イスラエル国内の治安機関と軍が調査に乗り出していた。 漏えいについて裁判所は、「国家安全保障に深刻な害を及ぼす」恐れがあると指摘。「その結果、戦争の目標の一つである、人質解放に向けた治安組織の能力が損なわれる可能性があった」としている。 前首相で野党指導者のヤイル・ラピド(Yair Lapid)氏はこれを受けて3日、記者団に対し、「ネタニヤフの関係者が機密文書を偽造して人質解放の可能性を阻害し、人質家族へのネガティブキャンペーンを張ろうとした」と主張。 ベニー・ガンツ(Benny Gantz)前国防相も、「これは情報漏えい疑惑ではなく、政治目的のための国家機密の利用だ」と非難した。 一方、ネタニヤフ氏は1日、フェルドシュタイン氏は機密文書を目にしたことも入手したこともないと語り、疑惑を否定している。【翻訳編集】 AFPBB News