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具体的な製品に関しては松原大氏が説明していました。 AI PCとは端的に言うと、AIの推論をパソコン内だけで行えるパソコンのこと。具体的には従来パソコンに入っていたCPU、GPUのほかにAI推論に必要な「単純だけど超高速」な演算プロセッサ(NPU:Neural network Processing Unit)が入っています。 以前はGPUで肩代わりさせていることも多かったのですが、学習ではなく推論の場合はGPUよりも単純なプロセッサの方が効率的ですし、AI機能を強化したゲームでGPUの処理性能がかかると表示に影響を及ぼします。 NPUの処理能力の単位はTOPS(Tera Operations per Second)を使い、1秒間に何億回の演算ができるかを示しています。通常のCPUの場合はFLOPSと言って、浮動小数点演算の処理回数を使いますが、NPUは整数演算を大量に行うためのプロセッサと思えばよいでしょう。
NPUを駆使することで、生成AIのような高度な機能をパソコン本体で処理できるようになります。従来AI機能を使うためにはクラウド側のGPU等を使って処理していましたが、この場合インターネット接続が必要となるほか、企業での利用の場合機密情報が洩れるという懸念があります。パソコン本体でAIが動くようになるとこのような懸念もなくなります。 松原氏はデルが現在販売しているAI PCにはランクに応じて“松竹梅”と3カテゴリの製品に分類していることを紹介。“松”は昨年から登場しているNPU内蔵PC。“竹”はQualcommプロセッサを使ったCopilot+PC対応製品で“梅”がCopilot+PCに対応したx86製品。現時点ではCore Ultra Series2を使ったXPS 13のみですが、今後ラインナップが増えそうです。
松原氏は画像生成AIでよく使われるStable Diffusionで画像を生成していましたが、これはGPUとNPUで役割分担をして動かしており、パソコン内部でもそこそこの速度で画像を生成してくれますし、テキストの生成AIもネットワーク接続なしで動作します。 また、CyberLink社のPowerDirector 365を使った動画編集のデモも行いました。本製品にはNPUを使用したAIボディエフェクトの機能があり、人物の動きをAIが認識し、ミュージックビデオのようなエフェクトをリアルタイムで追加するデモが行われました。 複数のリサーチ会社が「2027年には全世界のパソコン出荷台数のAI PCの出荷比率が60%になる」という予測値を出しており、パソコンメーカーも半導体メーカーも次のメインストリームの機能になると大きな期待を寄せています。