東京五輪開催に海外メディアは依然として懸念「五輪は中止にすべき」「疑念は消えることなく燻っている」
欧州をカバーするスカイスポーツが注目したのもワクチン問題。「新型コロナ対策が『最優先』」との見出しを取り、「東京五輪では(新型コロナの)ワクチンを参加者に義務付けないと強調、IOCのバッハ会長は、多くの国の五輪組織委員会が選手たちのワクチン接種で『順調な進展』があることを認め、海外からの観客受け入れの判断は3月の終わりになると語った」と伝えた。リトアニア、セルビア、イスラエル、シンガポールでは、すでに五輪出場選手のワクチン接種が終了しているという。 また同メディアは、「五輪が始まる7月24日まで5カ月を切る上で、東京は依然として緊急事態宣言下にあり、日本政府は、今、医療サービスにかかるプレッシャーを考えさらに2週間の延長を考えている」と、首都圏に発出中の緊急事態宣言の解除が延期される方針を日本政府が固めたことを伝えた。 五輪開催に進んでいる状況に懸念を示したのは、五輪、パラリンピック競技を扱うニュースサイト「インサイド・ザ・ゲーム」だ。 「世論調査で日本国民の半数以上が今年の五輪開催を望んでいない」との見出しを取り読売新聞が行った五輪開催に関する世論調査を引用。「感染拡大の恐れがあるので開催してほしくない」の声が58%だった調査結果を受けて、「新たな世論調査が、新型コロナへの懸念で東京五輪を開催することに国民の支持を欠いていることを示した。(今年の五輪開催を望まない割合は)前回の調査よりも20%下がったが、この結果は5カ月以内に五輪を開催する計画にある組織者たちが日本国民をまだ味方に引き入れていないことを示している」と報じた。また「91%が、観客数を少人数に抑えるか、無観客にする必要があることを望んでいる」との世論調査結果も紹介した。 また先日、グローバルコンサルタント会社の「Kekst CNC」が行った世論調査結果も引用して「日本で56%、ドイツで55%、英国で52%が、東京での五輪開催に反対している。フランスやスウェーデンでも五輪開催に反対する声が開催賛成を上回っている。ただ米国の回答者は反対、賛成が1/3で分かれた」と紹介。「世界が新型コロナウイルスの感染拡大と戦い、多くの国がワクチンを手にしていない中で、今年の五輪開催に関する疑念は消えることなく燻っている」との見解でまとめている。