怪我に狂わされた…。日本の「ガラスの天才」（7）まさに超人…。痛みに悩まされ続けた規格外FW
サッカー選手は常にケガと隣り合わせだ。たった1つのケガでキャリアを棒に振ってしまう選手もいれば、何度も大ケガを負いながらもその逆境を乗り越えて長く活躍する選手もいる。今回は最高級の才能を持ちながらも、ケガに苦しむキャリアを歩んだ“ガラスの天才”をピックアップして紹介する。
FW：久保竜彦 生年月日：1976年6月18日 日本代表成績：33試合13得点2アシスト サッカー日本代表として13得点を挙げた久保竜彦は、プロとして一定の成果を収めたが、もしケガがなければ、さらに偉大なストライカーとして認知されていたかもしれない。 1995年にサンフレッチェ広島に加入し、プロキャリアを始めた久保は、屈強なフィジカルと強烈な左足シュートを武器に頭角を現した。 1998シーズンにはJリーグで12得点を記録し、日本代表に初招集された。その後も進化を続け、2003年に横浜F・マリノスに移籍。2003シーズンにはリーグ戦で16得点を挙げてクラブのJ1優勝に貢献し、自身も日本年間最優秀選手賞を受賞した。 日本代表としては、2002年に発足したジーコ体制で存在感を示した。2003年のEAFF E-1選手権の中国代表戦で代表初得点を含む2得点を記録し、2004年にはハンガリー、チェコ、アイスランドとの国際親善試合で3試合連続得点を決め、エースの地位を確立した。 しかし、この頃から久保はケガに悩まされるようになった。大きなケガこそなかったが、慢性的な膝や腰の問題に苦しみ、万全のコンディションで試合に臨むことが難しくなった。 2006年にはFIFAワールドカップの日本代表メンバー入りが有力視されていたが、腰痛の影響で調子が上がらず、メンバーから落選してしまった。 その後、久保はJ2やJFLでもプレーしたが、リーグ戦で2桁得点を達成したのは横浜FMの優勝に貢献した2003シーズンが最後だった。 「ドラゴン」の愛称で親しまれた久保は、フィジカルとパワーでヨーロッパや南米の屈強なDFとも渡り合える数少ない日本人FWだった。その強さを大舞台で披露できなかったことは、ファンにとっても残念なことである。
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