新型GR86が、スポーツカーとして正しく育てられているワケとは? 乗ればわかるその違いに感動!
商品改良を受けたTOYOTA GAZOO Racingの「GR86」に、大谷達也が乗った。従来モデルとの違いはいかに。 【写真を見る】新型GR86の内外装(16枚)
BRZとの違い
2年前、GR86がデビューしたときのリポートで、私は、GR86にするかスバル「BRZ」にするか? 17インチにするか18インチにするか? が、かなりの難問であると提起したけれど、商品改良版のGR86に試乗して、私なりの答えがスッキリと出た。 ひと言で言えば、新しいGR86 RZでなんの不満もないというものだ。 熱心な86/BRZファンであれば、2台は基本設計が共通とされているにもかかわらず、公道試乗会のタイミングは86がBRZのおよそ2カ月遅れとなったことを記憶しているかもしれない。 これは、86もBRZもフロントナックルをアルミ製にし、リヤスタビライザーをボディ直付けにすることが決まっていたにもかかわらず、豊田章男社長(当時。現在は会長)の「これでは物足りない」というリクエストを受けて、86のみフロントナックルは鋳鉄製、リヤスタビライザーはボディ直付けではなくブラケット取り付けへと変更するのに時間を要した結果だった。 それに加えてサスペンション・スプリングやダンパーの設定も細かく見直されたため、確かにGR86はダイレクトでガツンとした印象が明確になったけれど、普段乗りに使うにはやや乗り心地が硬い。ハイパフォーマンス仕様ではない17インチ・タイヤを履くSZではグリップが不足気味となって、荒れた路面で唐突にリヤグリップが抜けることがあったとリポートした。 一方のBRZは、乗り心地がソフトで安定感も高いのだけれど、なるほどGR86ほどガツンとした印象は、得られない。86にするかBRZにするか、17インチにするか18インチにするかが難問だと感じたのは、このような事情があったからだ。 そういった声がトヨタ自動車にまで届いたのか、発売からおよそ3年が経ち、86とBRZに商品改良が施されることになった。