兵庫県斎藤知事“不信任案可決”で辞職・失職でも「退職金1561万7700円」は“満額支給が妥当”…なぜ?
兵庫県の斎藤元彦知事の「パワハラ疑惑」を受け、きょう開会された兵庫県議会で、斎藤知事の不信任決議案が全議員により共同提案され、全会一致で可決された。斎藤知事は、辞職するか10日以内に議会を解散しない限り失職となる。議会を解散した場合も、選挙後に反対派が多数を占めて不信任案が再議決されれば、結局は失職することになる。 【ランキング】47都道府県の知事の給与月額(兵庫県は45位) もしも斎藤知事が退職または失職を選んだ場合、気になるのは「退職金」のゆくえである。本件のような“不祥事”によって不信任議決がなされた場合、減額または不支給は認められないのか。
斎藤知事が「身を切る改革」で半減させた「退職手当」の金額
兵庫県知事の退職手当について定めているのは「特別職に属する常勤の職員の給与及び旅費に関する条例」(以下「条例1」)と「知事及び副知事の給与の特例に関する条例」(以下「条例2」)である。 退職手当についてはもともと「条例1」で以下の計算式により算出される。 退職日の給料月額 × 在職月数 × 100分の63 これに加え、2021年に就任直後の斎藤知事の提案により、知事の給与を30%カットし、かつ、退職手当を「条例1」での算定額から50%カットする内容を含む「条例2」が成立した。 「条例2」成立当時の神戸新聞の記事によれば、退職手当の算定の基礎となる給与月額は134万円(実際の斎藤知事への支給額は「条例2」により30%カットされた93万8000円)だったことが確認されており、それ以降、県の資料によれば増額も減額も確認されていない。 また、総務省の資料においても、2023年度の兵庫県知事の給与月額は「93万8000円」と記載されており、上記と整合する。 したがって、以上を前提とすると、9月中に辞職または失職する場合の退職金の額は、上記の計算式にあてはめて以下の通り算出される。 134万円×37か月×100分の63×50%=1561万7700円 この計算式は任期満了まで在職しても、任期途中で辞職・失職しても同様に適用される。 なお、一部週刊誌報道によれば、兵庫県の人事課の担当者が「約1561万円」と回答していたとのことであり、上記金額をさすと考えられる。