貝印「紙カミソリ®」が横尾忠則とコラボ。名作が紙カミソリに
グローバル刃物メーカーとして知られる貝印株式会社が現代美術家・横尾忠則とコラボレーション。「紙カミソリ × 横尾忠則 アーティストコラボレーションシリーズ」を発表した。 「紙カミソリ®」は、ハンドルに紙、刃体(ヘッド全体を含む)に金属を使用した世界初のカミソリ。2021年の発売以降、「iF DESIGN AWARD 2022最高賞 iFゴールドアワード」「2021年度グッドデザイン賞」「2021日本パッケージングコンテスト最高賞 経済産業省産業技術環境局長賞」などを受賞するなど、高く評価されている。 今回のコラボレーションは、「紙カミソリ®」の特徴であるグラフィックの自由度の高さを活かし、横尾の「ピンクガール」シリーズの作品を紙カミソリにデザインしたもの。3作品をそれぞれデザインした3種と、その3作品をコラージュした1種の計4種がラインナップ。コラボレーションデザインは貝印が実施し、貝印のデザイン思考を取り込んだ「アートとデザイン」が融合する取り組みとして実現した。 横尾は今回のコラボレーションについて、以下のようなコメントを寄せている。 描いた作品が60年後に立体化されて商品になるなんて、まったく思いもよらないことでした。カミソリと言っても小さく、紙でできており、それはそれで非常にキッチュな感じがして面白く、言い方を変えれば「彫刻」と呼んでもいいくらいです。また、「紙カミソリ®」は折り紙のようでもあり、1枚の紙から鶴や兜を折ることにも似ていて極めて日本的でもあるように感じます。僕の絵を入れるなんて、お遊びの精神から生まれた商品でもあるわけだから、その精神を徹底して、社会に拡張していけば「紙カミソリ®」が既存の概念を変え、世界を変えていくことになると思います。 また貝印でCMOを務め、今回のデザインを担当した鈴木曜はこう語っている。 今回、横尾先生の「ピンクガール」とコラボレーションさせていただきました。 作品の中で描かれているカミソリはおそらく貝印の商品という確信もあり「これだ!」と思っていたところ、横尾先生ご本人からも「『ピンクガール』という作品がいいかもしれない」とご提案いただけて、運命を感じました。制作過程のディスカッション時に「女性が髭を剃るというショッキングな作品がカミソリに載っているのは、ある意味スキャンダルだ」という先生の一言に感銘を受け「セクシースキャンダル」というタイトルを考案し、デザインにも組み込みました。作品の配置や、裸体の見え方にもこだわりました。 3種類のバリエーションを持つ「ピンクガール」をすべて網羅し、先生監修の元でオリジナル仕様のリメイク「モザイク仕様」もデザインさせていただきました。ぜひ商品を手に取って組み立ててみてください。 本商品は、8月23日よりCCCアートラボが運営する「NADiff a/p/a/r/t」(実店舗)・「NADiff Online」(EC)・「OIL by 美術手帖」(EC)にて先行販売中。9月9日からは貝印公式オンラインストア「KAIストア」にて販売される。