食べ残して一晩そのままにしたピザは食べても大丈夫? 危険性を解説
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
ピザパーティーを開くのは楽しいけれど、残ったピザをどこにしまうか、いつも同じ悩みが発生する。ピザの箱が入るスペースを見つけるなんてほぼ不可能。仕方がないので、残ったピザをキッチンカウンターに置いたままにした経験がある人は多いはず。 食中毒のリスクから、保健当局では食品を室温で長期間保存することについてたびたび注意を呼びかけている。とはいえ、細菌が繁殖することなく室温で保存できる食品もたくさんある。たとえば、パンとトマトは材料的にピザの3分の2に相当するけれど、どちらも調理前の状態では冷蔵する必要はない。それなら、スペース確保のために冷蔵庫のテトリスをせずとも、カウンターにピザを置いたままにしていいのでは? そこで今回は、ピザの保存方法と、常温で保存できるかどうかについて知っておくべきことをまとめてご紹介。
残ったピザを外に出しておいても大丈夫?
残念なお知らせだけど、ピザを室温で一晩保存することは絶対に避けたほうがいいみたい。実際、ピザをカウンターに数時間以上置くことすらやめたほうがよさそう。4.5~60℃の温度帯は、もっとも細菌が繁殖しやすい危険ゾーンとして知られている。 米農務省(USDA)の報告によると、細菌はわずか20分ほどで残り物を侵食し始めるという。そして2時間後には、残ったピザはすでに安全に食べられなくなると考えられている。室温の食品から食中毒にかかると、軽度から中等度の場合は腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が現れる。しかし、2008年に起こった残り物のパスタの事件のように、より深刻なケースでは入院や死亡に至ることもある。 細菌の繁殖しやすさについて、より高い危険度をもつ一部の食材があり、そのほとんどが水分とたんぱく質の多さに起因する。パンやケーキ、クッキーなどの焼き菓子は、いずれもたんぱく質と水分が比較的低い(そして、脂肪や砂糖がたっぷり入っている場合が多い)ため、数日間はカウンターに置いても安全と言える。 いっぽう、ピザには有害な細菌が発生する可能性のあるたんぱく質と水分が多く含まれている。生地自体はあまり危険ではないが、ソースやチーズ、トッピングは間違いなく危険。チーズは、牛乳やそのほかの乳製品と並んで、もっともリスクの高い食材の一つ。米食品医薬品局(FDA)は、チーズには高レベルのたんぱく質と水分が含まれているため、細菌の増殖にとくに脆弱である、と指摘している。 これはソースや一部のトッピングについても当てはまる。調理済みの野菜(ピーマン、きのこ、トマトベースのピザソースなど)には、サルモネラ菌や大腸菌といった細菌が繁殖できる天然の液体を多く含んでいる。