【インタビュー】阪神・木浪聖也 思考を巡らす野球へ「今年もチーム全体が、全員で戦っているという意識の感覚は高いです」
相手が嫌だと思う選手に
遊撃手のレギュラーの座を確実なものとするため、常に向上心を持って野球に取り組み続けている
油断はできない。同期入団の小幡竜平と同じポジションのレギュラーを争っている。昨年の活躍を見れば、多くのファンがレギュラーをつかんだと思っているはず。だが本人にはその自覚は一切ない。「その座をつかみ、確実なものとするために」野球に関してさまざまなことを思考し、チャレンジのシーズンとするつもりだ。 取材・構成=椎屋博幸 写真=宮原和也 キャンプイン前に岡田彰布監督が、レギュラーは大山悠輔、近本光司、中野拓夢だけと明言した。昨年127試合、遊撃手として出場し「恐怖の八番打者」として18年ぶりのリーグ優勝&38年ぶりの日本一に大きく貢献した。誰もがレギュラーだと思っていたが、監督はそこに競争意識を持ち込んだ。そして、木浪聖也本人もレギュラーではなく、チャレンジャーだと意識している。 ──岡田監督の発言で、レギュラー陣の名前に木浪選手が入っていなかったので、びっくりしました。 木浪 僕は、びっくりはしなかったですよ(笑)。昨年しか活躍できていないですから。開幕戦も出ていませんし、優勝と日本一には貢献できたかなとは思いますが、個人的には満足していないです。 ──日本一になっても満足していないんですね。 木浪 143試合すべてに出て、日本一になったとしても、性格上、満足はしないと思いますし、実はもっと良くなるはずだと思っています。監督のコメントが載った記事を読んだときは「当然のことだよな」と納得しましたし、今年はレギュラーをがっちりとつかんでやるぞ、という気持ちにもなりました。 ──監督の記事を読んでからそういう思いになったのか、それとも以前からそういう考えでオフを過ごしてきたのか、どちらでしょうか。 木浪 3、4年実績を残して初めて一流で、レギュラーと呼ばれるのだと思っていますので。自分はわずか1年のみです。シーズンが終わったときには、2024年はもっとよくなるとさらに前を向いていました。 ──オフの時期もそういう思いでトレーニングに励んでいたのですね。 木浪 シーズンオフに少し野球から離れようと思って休みを少し取ったあと、すぐにトレーニングを始め・・・
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週刊ベースボール