「金利4%の3ヵ月定期」得られる金利はいくら?…金融機関の商品開発「客は情弱」が大前提【経済評論家が解説】
世の中はインフレ傾向ですが、金融機関の金利はいまだ「ほぼゼロ」が続いています。そのようななか、銀行から「いまだけ特別」として、高金利の定期預金を提案されることがあります。思わず飛びついてしまいそうですが、実際はどうなのでしょうか? 経済評論家の塚崎公義氏が解説します。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
銀行が「高金利の定期預金」を笑顔で勧めるワケ
現在、普通の銀行預金の金利は、限りなくゼロに近い水準なのですが、時として「いまだけ特別に、キャンペーンとして〈金利4%〉で100万円の3ヵ月物定期預金を預かって差し上げます!」といった誘いを受けることがあります。 しかし、銀行は慈善事業ではありませんから、無料で客にプレゼントをするはずはありません。当然、「100万円の投資信託を買っていただければ…」といった条件が出てくるわけです。 筆者は投資信託には肯定的なので、客が投資信託を購入してプレゼントを受け取るということ自体は悪い話だとは思いませんが、気になることが3つあります。 1つは、1度に多額の投資信託を購入するより、毎月少しずつ積み立てた方がリスクは少ない、ということです。購入した日がたまたま株価の高い日であったら、大きな損失を被ってしまうかもしれませんから。キャンペーンは、1度に大量の投信を買わせようとするものなので、慎重な検討が必要でしょう。 2つ目は、プレゼントに目が眩んで契約する客が多いかもしれない、ということです。「今だけのキャンペーンです」などと言われると、焦って契約してしまう人も多そうですからね。 もう1つは、このパッケージが「客の多くが情報弱者であることを前提としたものだ」ということです。客の多くが情報強者であるならば、別の商品パッケージが採用されるはずだからです。これについては後述します。
「金利4%の3ヵ月定期」で得られる金利を計算してみよう
「金利4%の100万円定期なら、金利が4万円もらえる」と考えている読者もいるかもしれませんが、そうではありません。「100万円の1年定期で金利が4%ならば、金利は4万円ですが、期間が3ヵ月なので、金利は1万円です」ということになります。税金が20%強かかりますから、手取りは8,000円弱ですね。 場合によっては、「定期預金が満期になったあとは自動継続してください」と頼んでおけば、その後も金利が4%が続くと思う人もいるかもしれませんが、よほどお人好しな銀行でない限り、自動継続後は普通の3ヵ月定期になりますから、金利はほとんどゼロです。定期預金を解約しに行く電車賃が出るか否か微妙です(笑)。