モノの米貿易赤字、9月は14.9%増 2年半ぶり高水準 輸入増で
[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日発表した9月の財(モノ)の貿易収支の赤字額は前月比14.9%増の1082億ドルと、2022年3月以来2年半ぶりの高水準となった。米港湾労働者のストライキに備えたものとみられる輸入の急増が要因。 これを受けて一部のエコノミストは第3・四半期の国内総生産(GDP)予測を引き下げた。ただ、輸入の急増は内需の堅調さを示している可能性が高く、貿易のGDPへの影響は小売在庫の増加により和らぐ可能性が高い。 第3・四半期のGDP速報値は30日に発表される。ロイターがまとめたエコノミスト予想は、第3・四半期のGDPは年率換算で前期比3.0%増と、第2・四半期と同様とみられている。 モノの輸入は3.8%増の2824億ドルと、2年半ぶりの高水準。港湾労働者のストは短期間で終了したものの、企業が商品を在庫として積み増したとみられる。消費財の輸入が5.8%増。食品は4.6%増えた。資本財の輸入は3.1%増。原油や自動車・同部品・エンジンなどの輸入も堅調に増えた。輸入品の多くが小売業者の在庫として積み上げられた。 財の輸出は2.0%減の1742億ドル。消費財が6.3%減ったことが響いた。工業用資材と資本財も減少。一方、食品の輸出は4.8%増えた。 卸売在庫は0.1%減。前月は0.2%増えていた。一方、小売在庫は0.8%増。前月は0.7%増えていた。自動車・同部品は2.1%増。前月は1.1%増だった。 GDPの算出に用いられる自動車・同部品を除く小売在庫は0.1%増。前月は0.5%増えていた。