ガートナー の報告書「2024デジタル広告ハイプサイクル」、AIとデータプライバシーが織り成すマーケティングイノベーション
生成AIと感情AIが牽引するデジタル広告
マーケターにはおなじみのさまざまな用語のなかで、ハイプサイクルに初めて登場したものにはAI関連カテゴリーが多く、マーケティング用の生成AIに加え、マーケティング用の感情AI、インフルエンス(影響)AI、ビジュアリゼーションAIなどが挙げられる。 インフルエンスAIは、デジタル体験を自動化し、ユーザーの意図や動機に基づいて消費者の選択をより効果的に形成する上で、マーケターの助けになる。感情AIはユーザーの感情状態を分析して反応を生成し、ボディランゲージや音声などのさまざまなインプットに基づいて個別化された体験を提供する。 「生成AIへの注目は依然として右肩上がりで、『幻滅の谷』へと向かっている」と、同じくガートナーのマーケティングアナリストのニコール・グリーン氏は語る。「昨年末にかけての熱狂は、この技術がもたらし得るものについての的はずれな期待につながった。生成AIの真のポテンシャルは、ほかのAI技術と組み合わされて初めて発揮される」。 さらに報告書では、Googleが予定されていたサードパーティCookie廃止の計画を撤回するという、最新展開についても解説されている。フロガット氏によれば、このニュースは報告書で取り上げたほぼすべての話題に影響をおよぼし、生成AIも例外ではない。Googleの発表を受けて修正を迫られたセクションとしては、リテールメディアネットワーク、同意と設定の管理、データクリーンルーム、プログラマティックセグメントを利用した広告とパーソニフィケーション(擬人化)などがある。 Googleの発表を受け、将来予測をアップデートした企業はガートナーだけではない。8月上旬、ボストンコンサルティンググループ(Boston Consulting Group)が発表した調査結果では、サードパーティCookieの変更によってターゲットマーケティングに使用しているデータの20%以上がリスクにさらされると答えたマーケターは全体の過半数に上った。 また、7月のフォレスター(Forrester)の調査では、2024年の調査の対象となったマーケターの61%が、撤回の発表前からGoogleの計画に懐疑的だったと答えている。 [原文:What Gartner’s 2024 digital ad hype cycle shows about marketing innovation and adoption] Marty Swant(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:坂本凪沙)
編集部