「酩酊した女性部下に無理やり行為を…」 元大阪地検検事正が「無罪を主張」、事件のカギを握る「ホラ吹き女性副検事」
理解に苦しむ理屈
だが、一転して無罪を表明した北川被告の弁護人である中村和洋弁護士は、前述の協議後に開いた会見でこう説明している。 「北川さんには、女性が抵抗できない状態だったとの認識はなく、同意があったと思っていました」 ならば、どうして北川被告は初公判で起訴事実を認め、謝罪まで口にしたのか。中村弁護士いわく、 「(北川被告には)事件関係者を含め、検察庁にこれ以上の迷惑をかけたくないという思いがあった。しかし、その後の事件関係者に生じた情報漏えいなどに関わるあらぬ疑いや、また検察庁に対する組織批判により、北川さんはこのような方針が間違っていたのではないかと悩み、自らの記憶と認識に従って主張することにしたのです」 古巣に迷惑をかけないよう裁判で争わないと決めたのに、検察への思わぬ批判が起きた。だから無罪主張に転じるという理屈なのだ。 なんとも理解に苦しむ話に聞こえるが、これには少々説明が必要だろう。
「事件のキーパーソン」
実は被害を訴えた女性検事は、事件の発端となった宴会に同席した副検事の女性も、名誉毀損や国家公務員法違反などの疑いで刑事告訴・告発している。 また大阪地検に対しては、この副検事による誹謗中傷行為があったとして調査を申し立てたほか、国会議員らで構成される「検察官適格審査会」に罷免を求める申し立てもした。 副検事は、主に窃盗、横領、詐欺、交通事故など市民生活に密接に関わる事件を扱う。検察事務官などに採用された後、副検事選考の受験資格を得ることができる。試験では最終的にはかつての北川被告のような検察幹部の面接が必須なのだ。 先の記者によれば、 「無罪を主張する会見で、北川被告側が言及した『事件関係者』とは、この女性副検事のことでしょう。以前職場で北川被告の秘書を務めており、事件当時は検察事務官だった人物です。今回の事件で重要なキーパーソンと目されています」 後編【「性的暴行を受けたのに“PTSDは詐病”とデマを流され…」 元大阪地検検事正が一転して無罪を主張する背景 「刑が軽くなることを戦略的に描いている」】では、事件のキーパーソンである女性副検事が、捜査情報を漏えいしていた疑惑などと併せ、裁判の舞台裏について報じている。 「週刊新潮」2024年12月26日号 掲載
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