夜の川根路に汽笛一声 大鉄SL夜行運転 「昭和の雰囲気懐かしく」 全国から乗客
大井川鉄道(本社・島田市)は7日夜から8日朝にかけて、蒸気機関車(SL)の夜行運転を実施した。新金谷ー家山間を3往復し、川根路の夜に走行音や汽笛の音が響き渡った。 【動画・写真】SL夜行運転の様子 鉄道ファンから長年要望があり、6月の社長交代などをきっかけに需要を見極めようと運行を決めた。全国から訪れた乗客は煙を上げるSLを撮影したり、夜の駅舎の雰囲気を楽しんだりした。ボックス席をそれぞれ貸し切り、思い思いの時間を満喫した。大阪府東大阪市の自営業砂川和敏さん(62)は「昭和の雰囲気が懐かしくて参加した。最近では夜行列車は珍しく、学生時代を思い出す」と話した。 同社によると、当初50人の定員でインターネット予約の受け付けを開始したところ、約3分で完売した。100人以上のキャンセル待ちも出たという。 鳥塚亮社長は「手応えは十分。蒸気の暖房など本物の昭和が大井川鉄道にはある。ナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)も意識したい」と述べた。