デンマークの新生ブランド〈オドー・コペンハーゲン〉に注目|小西亜希子の北欧デザイン通信
コペンハーゲンのインテリアブランド〈メニュー〉と〈バイ ラッセン〉、複合型のデザインホテル〈AUDO HOUSE(オドー・ハウス)〉のフィジカルな体験から着想を得て新たに誕生した〈Audo Copenhagen(オドー・コペンハーゲン)〉が東京・六本木に国内初のショールームをオープン。この新たな一歩に際し来日した、ブランド&デザインディレクターのヨアキム・コーンベク・エンゲル=ハンセンとデザインパートナーのフレデリック・ワーナー(ノーム・アーキテクツ)の2人に新生ブランド発足の経緯や今後の展望について話を聞きました。 【フォトギャラリーを見る】 数多く存在するデンマークのインテリアブランドの中にあって、2023年から本格始動した〈オドー・コペンハーゲン〉は、これからのデザインシーンをリードしていくであろう、新しいフェーズの展開を行っている。それはモダンなホームグッズを展開するインテリアブランド〈メニュー〉と過去の優れたデザインを継承する家具ブランド〈バイ ラッセン〉を統合し、さらにカフェやショップ、コワーキング・スペースに宿泊機能も兼ね備えたコペンハーゲンの複合型ホテル〈AUDO HOUSE(オドー・ハウス)〉のコンセプトをヒントに、空間体験を通じてブランドの世界観を構築していくという着眼点にある。
── まず、複数のブランドを統合し、〈オドー・コペンハーゲン〉という新たなスタートを切った経緯をお聞かせください。 ヨアキム 元々長い間、家業として〈メニュー〉というライフスタイルブランドを展開していました。自分は3代目なのですが、これからの時代に見合った本質的なニーズやアイデンティティを考えた時、単に家具やプロダクトだけではない、もっと広域に渡る展開が必要だと感じていました。 数年前、コペンハーゲン市内に複合施設〈オドー・ハウス〉という〈メニュー〉や〈バイ ラッセン〉を扱うショールーム、レストラン、オフィス、宿泊機能を併せ持つ場所を作ったことで、フィジカルな体験の場を通じてプロダクトを包括する世界観がしっくりきて。そのような経緯から〈オドー・コペンハーゲン〉をスタートさせました。祖父や父から引き継いできた人と人との繋がりや連帯感=「センス・オブ・コミュニティ」というマインドも大切な考え方であり、このブランドのフィロソフィですね。