アダム・スコットがアイアンを“原点回帰”
◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 初日(22日)◇キャッスルパインズGC(コロラド州)◇8130yd(パー72) 【画像】松山英樹が愛するハンバーガー プレーオフシリーズ初戦「フェデックス セントジュード選手権」で、アダム・スコットが通常使用しているモデルよりバウンスのある三浦技研KM-700アイアンへ乗り換えたのは既報の通りである。ハイバウンスのソール設計を用いることで、TPCサウスウィンドの粘りのあるゾイシア芝に対し、ターフの抜けを良くする目的があった。
スコットは初戦で18位とまずまずの成績を残したが、ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーンはフィールドの70人中53位と精彩を欠いた。 プレーオフ初戦の結果は原点回帰のきっかけとなった。7月のスコットランド2連戦、2位の「ジェネシス スコットランドオープン」、10位の「全英オープン」で使っていた三浦技研AS-1プロタイプの登場である。
今週の「BMW選手権」で、スコットはセットを戻した。キャッスルパインズGCでは、ティボックスとフェアウェイにベント芝とポアナ芝のブレンドが用いられ、ラフはケンタッキーブルーグラスとフェスキュー芝のミックスになっている。 キャッスルパインズには、同じくジャック・ニクラスが設計したミュアフィールドビレッジGCに近い種類の芝が使われている。スコットが三浦技研AS=1ブレードアイアンを初めて実戦投入したのは、当地を舞台とする22年の「メモリアルトーナメント」だった。 とは言え、芝の種類に関係なく、信頼を寄せるブレードアイアンへ回帰するつもりだったようだ。
今週の変更はそれだけではない。 海抜1900mのコースでは、世界最高峰の選手たちでさえ飛距離のコントロールに手を焼く。例えば、コリン・モリカワはショットの精度を向上させるためにボールを変更している。 スコットは3番アイアンより打ち出し角とスピン量の多いテーラーメイドQi10の9番ウッドをバッグに加えた。ボールが飛びすぎる高地では、着弾の角度が低すぎ、グリーンを超えてしまうのを避けなければならない。高弾道かつ高スピンの9番ウッドは、着弾を和らげつつ、密度の濃いラフに対して抜けが良いというメリットがある。 スコットは常に、ギアの選択に対して柔軟でいるよう心掛けていて、自身のスイングやコースコンディション、あるいは天候に最も適したクラブへの変更をいとわない。今週のコロラドも例外ではない。 現在、スコットのフェデックスカップランキングは41位。シーズン最終戦「ツアー選手権」出場には、トップ30に入る必要がある。 生き残りをかけた初日、スコットは2位の松山英樹と1打差の4アンダー3位で滑り出した。今回のギア変更がどう作用するか、残り3日間の彼のプレーに注目だ。 (協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)