「接待の会食」に”残業代”は出る?「接待」は労働時間に該当するかどうか解説!
営業部に配属されると、取引先といい関係を築くために接待を行う機会もあるでしょう。接待は夜の時間帯や休日に行われることもあり、仕事とも関連があることから「残業代は出ないの?」と疑問に思う方もいるようです。 そこで今回は、接待が賃金の発生する労働時間に該当するのか、また時間外労働の場合は残業代が出るのかについて調べてみました。頻繁に行われる接待は労働者にとって負担になる場合もありますから、参考にしてみてください。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
労働時間と割増賃金について
接待で残業代が出るかどうかは、その接待が労働時間に該当するかによります。労働時間について、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では次のように説明しています。 「労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。」 労働時間には、例えば参加が義務付けられた研修・教育訓練の受講や、会社の指示で業務上必要な学習などを行っていた時間も含まれます。 東京労働局「しっかりマスター労働基準法-割増賃金編-」によると、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える場合、残業手当として25%以上の割増賃金を支払う必要があるようです。 また、法定休日(週1日)に勤務させたときは35%以上の休日手当、22時~5時までの間に勤務させたときは25%以上の深夜手当が発生します。
接待は労働時間に該当する?
勤務時間外に行われる接待の会食について、残業代は発生するのか疑問に思う人もいます。 一般的に、接待は取引先との関係を良好にして、最終的には会社の利益となることが目的ですが、残業代が支払われることはほとんどないようです。理由としては、接待の場で行われることが、飲食やゴルフなど業務とは直接関係しないことが多く、接待を労働時間と判断しにくいことが挙げられます。 また会社から日時・場所・内容・方法などが明確に指示されることは少ないことや、強制参加ではないことなどで、接待を労働時間と判断しにくいといえます。 一方で、業務の一環として参加が強制されている接待の場合は、労働時間とみなされる可能性があります。接待中に契約交渉・商談や会社からの提案・企画のプレゼンテーションを行うような場合や、会社からの指示で業務を行うような場合も同様です。