旧文通費改革、年内の法改正で合意 使途公開や残金返納を義務づけへ
国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の改革を巡り、与野党は20日、衆院議院運営委員会の理事らによる協議会の初会合を開いた。使途公開や残金返納を義務づける方針で一致。28日召集の臨時国会で歳費法の改正などを目指すことで事実上、合意した。 【図解】維新の議席、衆院選でどうなった 協議会は国会内で開かれ、自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主、れいわ新選組、共産の計7党の代表者が出席。使途公開などを前提に、どこまで細かく公開するかや、残金をどう扱うかなどについて議論を交わした。具体的な改正条文案づくりに向け27日にも第2回会合を開く。 協議会座長の村井英樹氏(自民)は会合後、「年内に歳費法の改正など一定の結論を得るべく努力をしていきたい。(各党の主張に)大きな方向性の差異はないように感じた」と記者団に説明。立憲の青柳陽一郎氏は「年内に法改正し、できれば来年から公開対象にしていくことで、おおむね各党合意したのではないか」と述べた。 秘書の人件費や支援者との飲食代などに使われてきたとされる旧文通費は国会議員の「第2の財布」と呼ばれ、維新などが改革の必要性を長年訴えてきた。自民内には慎重論が根強かったが、政治資金パーティー裏金事件を受けて状況は一変。10月の衆院選では自民も使途公開などを公約に掲げ、投開票翌日の28日には石破茂首相が「(使途公開や残金返納について)党派を超えた議論を行い、速やかに実現を図っていく」と表明していた。 参院側も今後、検討を加速化させる構えで、22日から元参院議長らへの意見聴取を始める。【森口沙織、富美月、池田直】