電気興業、下請法違反で勧告 金型無償保管、最長30年も 公取委
アンテナの部品製造に使用する金型などを下請け業者に無償で保管させていたとして、公正取引委員会は5日、東証プライム上場で電気通信機器の製造などを手掛ける「電気興業」(東京都千代田区)に対し、下請法違反で再発防止などを勧告した。 無償保管は最長で30年弱に及んでいたという。 公取委によると、電気興業は携帯電話の基地局向けアンテナや地方自治体の防災用アンテナなどに使う部品製造を下請け業者に委託。遅くとも2021年9月以降、長期間発注しないのに、下請け業者20社に金型など計339個を無償で保管させていた。 電気興業は今年8月までに、339個のうち167個を回収や廃棄処分にした。今後、保管費用に相当する額を業者に支払う意向という。 ホームページによると、同社は1925(大正14)年に国策会社として設立された「日本無線電信株式会社」を前身としている。勧告を受け、「コンプライアンスの強化と再発防止に努めていく」とするコメントを発表した。