AIは「脳の外在化」を進める人間の必然
AIについて考えることは人間について考えること
そしてAIの登場だ。言葉のとおり、人間の外側にある脳であり、脳の外在化の極致である。もちろんコンピューターのソフトウエア技術であるが、これまでのコンピューターとは違って、きわめて人間的な判断をする。詳しくは次回にゆずるが、曖昧な条件のままで、特定の判断を下すところがあり、エラーもある。その点でも人間的なのだ。 このように考えてくると、AIは人間という動物の必然であり、きわめて人間的な現象であると思える。 人間とAIを対立するものとして扱うのはまちがっている。またAIを人間に従属するものとして扱うのもその逆もまちがっている。人間とAIは一体なのだ。人間あってこそのAIであり、AI(外脳)あってこその人間(内脳)である。 つまりAIについて考えることは、人間について考えることであり、単にコンピューター分野、ビジネス分野の問題にとどまるものではない。 今回は過去の話になった。未来の話は次回にまわしたい。 人間そのものについてさらに深く考えることが必要だ。 注 *1:『インテンシブ・シティ―都市の集約と民営化』若山滋・鹿島出版会 *2:『ローマと長安―古代世界帝国の都』若山滋・講談社現代新書 THE PAGE 中国「陸・海の力」vs米国「空・ネットの力」―「一帯一路」が意味するもの(2018年1月21日掲載) *3:THE PAGE 「親密」な握手、ゴルフ、食事、会談……日米同盟の文化的な構図(2017年11月15日掲載) *4:THE PAGE コンピューターゲームはスポーツか、ビョーキか。eスポーツとゲームと依存(2018年9月2日掲載)