シュッとした中高年はコンビニランチでこれを選ぶ…鶏むね肉+「血糖値を上げにくい炭水化物」の名前
■パスタとピザならどっち? 血糖値を上げにくいコンビニ飯 麺が好きな人も多いでしょう。その場合は、「そば」がお勧めです。そばは精製されていない全粒穀物なので、血糖値を上げにくい主食です。そば粉100%の「十割そば」が理想ですが、つなぎが入っていたとしても小麦粉100%のうどんを食べるよりも血糖値の上昇を抑えやすいです。 そばはコンビニでも買うことができます。一緒に鶏むね肉入りのサラダを購入すれば栄養バランスが整うランチになりますね。 量が決まっているコンビニのそばを活用することは血糖値を管理する上で悪くないと思います。また、スーパーで売っている冷凍そばも、クオリティが上がっていておいしいので、試してみてはいかがでしょう。 意外なところでは「パスタ」もおすすめできる麺です。パスタは基本デュラムセモリナという粗びきの小麦が原料で、完全に精製される手前のもの。だから、そばと同様、血糖値を上げにくい麺なのです。 しかも、パスタにはタンパク質が含まれます。1食で必要なタンパク質を完全に満たすとまではいきませんが、ゆでたパスタ240gのタンパク質量は14gほど。1食で摂りたいタンパク質量は20gが目安なので、7割を満たすことができます。 具がほとんど入っていないペペロンチーノではなく、タンパク源となる具がたっぷり入ったものを選ぶとさらにベター。普段のおかずで肉料理が多い人は、ペスカトーレやサーモンクリームパスタなどの魚介の具のパスタを選べば、タンパク源の選択肢も広げやすいでしょう。 ちなみに、昨今、冷凍のパスタでも味のよいものがたくさん市販されています。対して冷凍ピザは精製された小麦粉が原料なので血糖値を上げやすいです。選ぶなら、冷凍パスタに軍配が上がります。とはいえ、パスタはそばと比べてカロリーが高い点は否めないので、毎日のランチにパスタというような食べ方は避けましょう。 ■たくさん噛んでゆっくり味わう。毎日の食事で大切なこと 忙しい毎日の中で調理時間はなかなか取れないものです。これまで紹介してきたように、カット野菜や冷凍野菜、冷凍麺などを活用したり、出来合いの惣菜に頼ったりすることは現代の知恵だと思います。 ただ、調理にかける時間は減らしても、食べる時間は減らさないことが大切です。早食いになると胃や腸が一気に食べ物を消化しようとするため、ブドウ糖も一気に血中に増えて血糖値が急上昇しやすいのです。 血糖値の急上昇は、できるだけ避けたいこと。一口ずつ、かむ回数を増やして、ゆっくり味わい、楽しみましょう。 ---------- 大坂 貴史(おおさか・たかふみ) 医師 京都府立医科大学卒業後、京都南病院で初期臨床研修を経て京都第二赤十字病院に就職。その後、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得し、現在は綾部市立病院_内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌糖尿病代謝内科学講座客員講師。糖尿病専門医・指導医、総合内科専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。市中病院で糖尿病をもつ患者さんを診察しながら、大学で糖尿病に対する研究を行っている。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。幸せになる運動の開発が現在の研究テーマ。趣味は料理とワイン。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA。居合道・弓道・合気道有段者。YouTube、Xで医療情報を発信している。YouTubeの掛け声は「健康はぁ~筋肉ぅ~」 ----------
医師 大坂 貴史