フェラーリF1代表、F1デビュー戦をミスなく終えた新人ベアマンを絶賛「もはや非現実的。感心したよ」
フェラーリのフレデリック・バスール代表は、サウジアラビアGPの2日目から急遽F1デビューを飾りミスのない週末を過ごしたオリバー・ベアマンが「非現実的」な期待に応えたと称賛した。 【ハイライト動画】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 フェラーリのレギュラードライバーであるカルロス・サインツJr.が虫垂炎にかかったことが明らかとなり、フリー走行3回目の数時間前に招集されたベアマン。予選ではQ3に進出することはできなかったものの11番手を獲得し、決勝も問題なくスタートした。 ベアマンはその後順調にポジションを上げていき、レース終盤にはランド・ノリスとルイス・ハミルトンが柔らかくフレッシュなタイヤで後方からプレッシャーをかけるも一歩も譲らず、7位でチェッカーフラッグを受けた。 バスール代表は、ベアマンがこれほど早くペースを掴んだことに加え、舞台となったジェッダ市街地サーキットのようなトリッキーなコースでミスなく走りきったことが特に印象的だったと語った。 「フェラーリだけの話ではなく、グリッド全体でも優秀な若手ドライバーが何度かマシンに乗り込んだことがあったと思う。簡単とは言いたくないが、ペースは彼らが達成可能なモノだろう」とバスール代表は言う。 「私にとっては、FP1もFP2も経験せずに短い週末をミスなく走ったという事実が非現実的だ」 「(ベアマンは)FP1とFP2をスキップして壁の間を走り、ほぼ直接予選に入った。正直、私はジェッダでは完全に感心させられた」 ベアマンのF1デビュー戦の総評をバスール代表に求めると、彼はルーキーの“メガ・ウィークエンド”を称賛した。 「ストーリーは知っていると思うが、我々は金曜日の午後2時ごろ彼を呼び出して、FP3でマシンに飛び乗った」とバスールは振り返る。 「でもここはバルセロナじゃない。ジェッダなんだ。とてつもなく大きな挑戦だ」 「FP3で彼はとても良い走りを見せて、一歩一歩ステップアップしていった。予選では0.03秒差でQ3を逃した。そして今回のレースでは、スタート手順、ピットストップ、ステアリングホイールなどF1では管理しなければいけないことが多すぎて、レース前には少しナーバスになっていた。簡単なモノではなかった」 そしてバスール代表は、レース終盤にノリスやハミルトンのプレッシャーにさらされた際に、ベアマンを信用して攻めた走りに切り替えるよう奮い立たせたという。そしてそこでベアマンが見せた粘り強さを賞賛した。 「最後も彼はとても上手くやり遂げた」とバスール代表は言う。 「見てみると、彼は最終盤にランドとルイスを抑え込んでプッシュすることさえできた。私自身驚いたが、ピットウォール側からもう少しプッシュして、保守的にならないよう彼に指示した。彼はその時点でひとつもミスを犯していなかったからね」 バスール代表はまた、ベアマンが全てを冷静に受けて止めていたことにも言及した。 「よそよそしいという表現は適切ではないが、彼は最初からとても落ち着いたアプローチを取っていた」と彼は言う。 「プレッシャーもあったし、フェラーリ史上最も若いドライバーであったこと……色々なことを思い起こさせただろうし、彼にとっては大きなプレシャーだったはずだが、この週末は大きな財産になったと思う」 「でも最終的に、彼はそういったプレッシャーを忘れて、本当に重要なことに集中することができたと思う」 「彼は明確な目標を掲げたと思う。私の理解では、彼は細かいことにはあまりこだわらず、大きなトピックに集中していた。それがとても上手くいったんだ」 「ピットストップやスタート手順などで彼がミスをしないか私は心配していた。過去にルーキーが何度かそうしたミスを犯したのを見てきたが、彼は上手くマネジメントした」
Adam Cooper