被災者の心癒す“ふるさとの思い出”「バス停」グッズ
元々、物産展を通じて数年前から交流があった藤本が応援のため、Xの引用リポストを行ったことで、いけちかさんの目にとまったのです。 そんな八伸化成株式会社さんの「北鉄マグネット/コースターのオーダーメイド受注」にも、また、きっかけがありました。 羽咋郡宝達志水町にある八伸化成株式会社さんは、プラスチックの加工成型を手掛け、オリジナルのコースターやマグネットを製造しています。1月から再開できたものの、能登地区の取引先のほとんどが甚大な被害のため休業に追い込まれ、売り上げは地震の影響を受け、落ち込むばかりでした。 そんな中、担当者の寺谷伸吾さんに、取引先である有限会社モリシタの森下明広社長より、「同じ石川県の企業として能登地区向けに扱っていたグッズを金沢駅で販売し、売り上げの一部を義援金として寄付したい」との申し出がありました。 有限会社モリシタさんは、約60年前から金沢駅でお土産屋さん経営しており、現在の森下明広社長は二代目。もともとは、洋傘やカバンの服飾雑貨を専門としていらっしゃいましたが、時代の流れとともに、小物雑貨をメインに扱うようになります。北鉄バスマグネットやコースターもお土産として人気の商品でした。 こうした森下社長の思いを受け、商品1個につき、100円を義援金に充てることで、能登への支援となる売り上げを重ねていきます。 こうした実績が実を結び、2月より、主力商品である「北鉄バス停マグネットとバス停コースター」のオーダーメイドが実現しました。 ■「廃止になったバス停も制作対象」被災者の心のよりどころに 対象となるバス停は、奥能登地区、志賀地区、七尾地区、中能登地区のバス停に限りましたが、「現存するバス停」または「かつて存在した廃止バス停」という気遣いが好評を博しました。 奥能登は、ここ十数年でいくつもの廃止バス停が増えており、そのなかには、廃校に伴う学校前のバス停の廃止なども含まれていたことから、そのバス停を使っていた利用者の方々には非常に意味があることだったのです。