ゲッツェがクロップ・リヴァプールへの移籍が迫っていた過去を激白 実現しなかったそのワケとは…… 「もう少し我慢していればよかったと思う」
2016年にクロップと会っていた
現役時代にドルトムントやバイエルンなどでプレイした元ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェは恩師であるユルゲン・クロップがいたリヴァプールへの移籍が迫っていた過去があることを『The Players Tribune』の「子供たちへの手紙」というタイトルのインタビューの中で明かした。 [動画]ドイツの天才ゲッツェのスーパープレイ集 リヴァプールへの移籍が迫っていたのは2016年で、ゲッツェはその年バイエルンからドルトムントへの復帰を決断した。実際にクロップと会って話をしたようだが、リヴァプールはその前のシーズンを8位で終えており、就任して間もないクロップ・リヴァプールは移行期にあった。CLでのプレイを望んでいたこともあり、ゲッツェは恩師のいるリヴァプールを選ばなかったという。 「もう少し我慢していればよかったと思う。例を挙げよう。2016年に私はリヴァプールというイギリスの有名なチームに移籍するところだったんだ。そこの監督はユルゲン・クロップという男だった」 「もしかしたら、彼の写真を見たことがあるかもしれないね。背が高くて、笑顔が素敵で、とても面白い人だ。ユルゲンはドルトムントで私のコーチを務めていたが、彼がいることがどんなに幸運なことかその時は気づいていなかった。私はリヴァプールにある彼の家を訪ねて、リビングで奥さんたちと一緒に座って話をした。ユルゲンが特別なのは、マリオという人間をよく見てくれていることだ。サッカーの話はあまりしなかった。『どうすれば君を説得できるだろうか?君は何が欲しいんだ?』などとは言わなかった」 「彼は私に人生全般について尋ね、確かこんなことを言ったと思う。『いいか、マリオ。君はここでたくさんプレイし、楽しむことになるだろう。それが君にとって最も重要なことだということはわかっている。クラブは素晴らしい。よく考えてみてくれ』と。本当にまた彼のためにプレイしたかった」 「でも、すぐに勝ちたいとも思っていた。すごく焦っていたんだ!リヴァプールはイングランドで8位に終わり、ドルトムントはドイツで2位だった。ドルトムントは私のサッカー界における親友の一人であるアンドレ・シュールレとも契約したばかりだった。リーグ優勝2回、チャンピオンズリーグ決勝進出という初めての経験がどれほど楽しかったかを私は覚えていた。もしかしたら、古き良き時代のようなものになるかもしれない、そう思っていた」 「だから私は戻った。ドルトムントが大好きだったが、ユルゲンとの特別な旅を逃したような気がする。彼がリヴァプールで素晴らしいチームを築くのに時間が必要だと理解していなかった。チャンピオンズリーグですぐにプレイする必要はまったくなかった。そこまで先のことを考えていなかっただけだ」 当時のクロップとのやりとりやドルトムント復帰への思いなどを語ったゲッツェ。それでもゲッツェは「ドルトムントは私にとって今でも大きな意味を持っている」とも語っており、ドルトムントへの復帰を後悔はしていないという。 クロップはペップ・グアルディオラなどと並ぶ名将の1人であり、成績が素晴らしいのはもちろんだが、指導を受けた選手らから人柄も称賛されており、選手やサポーターから愛される監督であった。そんな稀代の名将であるクロップはゲッツェにとってもやはり特別な存在のようだ。
構成/ザ・ワールド編集部