京都のタンドリーチキン専門店『セクションドール』。旨いだけじゃない黄金比率の味わいとは
そうは言っても、チキンへのアクセス確保のために野菜から手を付けるのが正解だと思うので、まずは小松菜からいただくことに。塩とごくシンプルなスパイスで味付けされた小松菜は、特有の香りとシャキッとした食感がいい具合に残っていて絶妙の塩梅。 小松菜の覆いがなくなったので、次は本命であるチキンをいただきます。鶏もも肉のようです。そしてタンドリーチキンは骨付きが当たり前だと思っていましたが、骨は付いていません。ナイフとフォークだけで手を汚すことなく食べられるので、これは嬉しい。 チキンをナイフでカットして食べてみると、余分な油は皆無。食べごたえのある食感ながら、しっとりジューシー。またスパイスも、街のインド料理店のタンドリーチキンと違ってシンプル。 簡素ではありますがスパイスで調味され蒸気式オーブンで蒸し焼きにされた鶏肉は、確かに、かなり広義の意味ではタンドリーチキンという定義の範疇に収まるのでしょう。ともかく鶏肉本来の美味しさがしっかりと味わえる、非常に美味しい鶏肉料理であることは確かです。
いつの間にか野菜の魅力にハマっていく
チキンをひと口食べたので、今度はまた野菜に戻ります。カボチャはホクッとした食感とほのかな甘みにスパイスが絶妙にマッチ。ウマい! こうして野菜を一種類食べるとまたチキンをひと口、そして次の野菜へ。このあたりから、何となく野菜の美味しさに夢中になってきた筆者。 野菜を食べてチキン、また次の野菜を食べてチキンと、チキンを中心にして次の野菜、次の野菜と食べ進めていくうち、最初は見えてすらいなかった長芋やカブなども発見。気がつくと野菜の美味しさにどんどん魅了され、途中からは「むしろ野菜の方がメインなのでは?」と思ってしまったほど。 この辺まで来ると、野菜にこだわる名店の京料理を食べているような錯覚にすら陥ってきます。最初、インド料理屋さんだと思っていたお店が実際にはフレンチレストランのようで、さらにそれを経て、結局は京都まで戻ってきたわけです。すごく不思議な感覚です。