「Manjaro 24.1」レビュー--高機能で使いやすく、見た目も美しい「Linux」ディストロ
気に入った点 まず、Plasmaデスクトップは美しい。ログイン画面からデスクトップまで、KDEの設計/開発チームはPlasmaで素晴らしい仕事をしている。筆者は、フローティングパネルやデスクトップ設定プロセス、アクセントカラー、そして、チームがKDEに盛り込んだ細かいディテールのすべてが大好きになった。唯一の不満点は、パネルとメニューをダークからライトに変更しても、ログアウトして再度ログインするまで反映されないことだ(ただし、これはManjaroの問題だと思う)。ログアウトして再度ログインすると、選択したテーマが適用される。 なぜこれほど多くのLinuxディストリビューションがダークテーマをデフォルトに選ぶのか筆者にはいまだによく分からないが、それは個人的な見解だ。 Arch Linuxの世界に慣れていないユーザーが歓迎しそうな点がもう1つある。GUIソフトウェアインストーラーの「Pamac」だ。このツールの外観と挙動が従来のアプリストアに似たものになった。最大の違いは、乱雑さが全くないことだ。Pamacのユーザーインターフェース(UI)は、確認したいものを選択するためのサイドバーとタブのほか、並べ替えフィルターも備えており、極めて操作しやすい。Pamacを使用してManjaroにソフトウェアをインストールするのは、楽しい体験だ。 Manjaroのパフォーマンスは、市場のほぼすべての主要なLinuxディストリビューションと同等である。アプリは瞬時に開き、ソフトウェアは迅速にインストールされ、ウィンドウは滑らかに動く。これには、Plasmaデスクトップの良好なパフォーマンス(この数年間で飛躍的に進歩した)も寄与している。 Manjaroには、非常にクールな機能が1つ搭載されている。それは、OSのインストール中に、インストールしたいオフィススイートを選択できることだ。選択肢は、「LibreOffice」と「FreeOffice」の2つだけである。 好奇心からFreeOfficeを選択してみたところ、その体験に強い感銘を受けた。FreeOfficeは、クラウドに移行する前の「Microsoft Office」に似ている。インターフェースも使い方も、あらゆるユーザーがすぐになじめるものとなっている。さらに、FreeOfficeはMicrosoft Office(または「Office 365」)ファイルの扱いにも優れている。ドキュメント/スプレッドシートを使って作業することが多く、Officeユーザーと共同作業する必要がある人には、FreeOfficeが最適だろう。 最後に、Manjaroでは、設定内からログイン画面の外観をカスタマイズできる。初期状態で5種類の外観が用意されており、それぞれが独自の美しさを持っている。起動時のスプラッシュ画面の画像を選択することも可能だ。これは本当に素晴らしい機能である。唯一の注意点は、スプラッシュ画面の画像のサムネイルプレビューが表示されないため、名前だけを頼りに選ぶ必要があることだ。 不満な点 正直に言うと、不満な点はあまりない。強いて挙げるなら、唯一不満だったのは、テーマをパネルとメニューの両方に適用する際に、ログアウトして再度ログインする必要があったことだ。ほかにがっかりした唯一の点は、Manjaroに電子メールクライアントが標準で搭載されていないことだ。Pamacで複数の電子メールクライアントから好きなものを選択できるので、これは大した問題ではない。 Linuxディストリビューションをテストして、欠点を見つけるのに苦労するのはとても素晴らしいことだが、Manjaro 24.1もそれに当てはまる。筆者はManjaro 24.1が大好きになった。 最新バージョンのManjaroを入手したい人は、公式サイトからISOイメージをダウンロードしてほしい。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。