MotoGP日本人ライダーの戦い【第7戦イタリアGP】4年分の思いとともに表彰台へ。Moto3山中琉聖が3位を獲得
MotoGPクラスの中上貴晶、新エアロ投入もリザルトは変わらず
中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)のマシンには、予定通り新しい空力デバイスが投入された。これは、フランスGP後にこのムジェロ・サーキットでプライベートテストを実施した際に試されたものだ。 新しい空力デバイスによって、トップスピードは向上した。金曜日の中上の話によれば、「午後のセッションでディッジャ(ファビオ・ディ・ジャンアントニオ)の後ろについて、すごい勢いで追いついて抜けました」ということだった。トップスピードについてはヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)も同様のコメントをしている。 ただ、ホンダが改善点として抱える旋回性とリヤのグリップについては変わらなかった。中上はグリップ改善を目的として、土曜日午前中のセッションでテールカウルの空力デバイスだけ旧型を使用するなど試行錯誤していたがフィーリングは変わらず、結局、全て新しいエアロのパッケージに戻した。 ホンダは、4名のライダーが新しい空力デバイスで走ったイタリアGPでも、リザルトに大きな改善が見られることはなかった。中上はスプリントで16位、決勝レースでは10周目12コーナーでフロントが切れ込んで転倒リタイアとなった。 他のホンダライダーの決勝レースのリザルトとしては、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)が転倒リタイア、ルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ・チーム)が20位、ザルコが19位だった。中上は「完走しても、今回は全くポイントに届くレベルじゃなかったです。ザルコとマリーニが完走しましたけど、あれが現実的なポジション」と厳しい現状を述べた。 イタリアGPの翌日には公式テストが行われたが、雨という天候による理由ばかりではなく、ホンダは大きなアイテムのテストはなかった。中上によれば、次戦オランダGPでは「何かアップデートはあると思うが、大きなエンジンやシャシーではないです。サマーブレイク明けに大きなアップデートがくると聞いています」ということだ。 中上の、そしてホンダの奮闘が続いている。