縁の下の力持ち! バイクレースで旗を振る人は何者?
レースオフィシャルはレースの陰の立役者!
現地やテレビなどでレース観戦をしていると、オレンジ色のつなぎを着た人が、監視ポストから旗を振っている姿を目にします。さらに周囲を見渡すと、いたるところにこのオレンジ色のつなぎを着た人がいることが分かります。 【画像】レースオフィシャルの仕事を画像で見る(10枚)
7月におこなわれた「鈴鹿8時間耐久ロードレース」や、先日おこなわれた「MotoGP 日本グランプリ」でも、ピットやパドックをはじめ、あらゆる場所で忙しく動き回る彼らの姿を目にした人も多いのではないでしょうか。 彼らをサーキットで働く職員だと思っている人もいるかもしれませんが、実は違います。ではバイクレースで旗を振っている人たちは、いったい何者なのでしょうか。 彼らは、「レースオフィシャル」と呼ばれる人であり、安全で公正なレース運営をするために欠かせないレーシングスタッフです。主にボランティアでおこなわれており、多くの人が本業を別に持ちます。ボランティアであるため給与は出ないものの、交通費が一部支給されたり、宿泊施設や食事が用意されたりする場合も多いようです。 レースオフィシャルは、レースが開かれる前に各サーキットが募集をかけます。年齢に制限がある場合もありますが、応募をするのに特別な資格やライセンスは必要ありません。「レースを支えたい」、「一緒に盛り上げたい」という熱意を持っている人であれば、誰でも応募することができます。 ただし、「レースを間近で見てみたい」「憧れのバイクやライダーに近付きたい」といったミーハーな気持ちで参加するのはおすすめできません。真夏の耐久レースともなると、炎天下の中、立っているだけでも体力は奪われていきます。途中で投げ出すこともできないので、生半可な気持ちで参加をすればのちのち後悔する可能性も。
さらに、転倒したバイクが突っ込んできたり、炎上するバイクに近付かなければならない状況だったりと、命の危険もゼロではありません。 しかし、レースオフィシャルとして活動する人の多くは1回限りではなく、何年、何十年とその活動を続けており、レースオフィシャルがどれほど魅力的な活動なのかが分かります。 もちろん、現場でしか感じることのできない空気感や臨場感は格別でしょう。加えて、レース運営にかかわり活動をやり遂げたあとの達成感、そしてその過程で生まれる仲間との一体感や絆もまた、他では味わえない特別な体験です。 またレースオフィシャルの仕事はいくつかのセクションがあり、能力や適性をみて振り分けられます。ただし、内容によっては「競技役員(オフィシャル)ライセンス」がなければ務めることができない責任のある役職もあります。経験を積みながら継続的に活動していきたいという人は、ライセンス(FIMライセンス、MFJライセンス)を取ることも考えておくとよいでしょう。 では、レースオフィシャルには具体的にどのようなセクションがあるのでしょうか。