被災地、タイヤ交換大混雑 例年の2倍依頼、1週間待ち 復旧工事の車両続々
●整備工場やガソリンスタンド閉鎖 能登半島地震で甚大な被害を受けた奥能登の自動車整備工場が冬用タイヤの交換作業で大混雑している。地震で整備工場やガソリンスタンド(GS)などの閉鎖が相次いだ一方、ボランティアや復旧工事事業者の車両が多く入るなどし、交換作業が追いつかない状況だ。予約が1週間以上埋まっている店舗もあり、本格的な雪を前に整備工場などは作業を急いでいる。 珠洲市三崎町二本松の「三崎自動車整備工場」では12月に入ってから、7人の作業員がフル稼働でタイヤ交換に追われている。復旧工事のトラックなど大型車両の依頼が例年の2倍近くに増え、通常の車検や整備の作業を中断して対応している。 同社の●(●は草カンムリの下に区と月)山(かやま)藤雄社長によると、珠洲市周辺では、地震前と比べて半数近くの自動車整備工場が廃業した。今年は新規の地元客からも自家用車が持ち込まれ、「タイヤ交換を最優先でしているが、やってもやっても追いつかない。これまで一日中タイヤ交換をすることなんてなかった」と額に汗をにじませた。 同市飯田町のガソリンスタンド「珠洲飯田給油所」でも、県外ナンバーの客によるタイヤ交換の依頼や冬用タイヤの購入が目立ち、作業量は例年より3~4割増えた。 輪島市街地でも、タイヤ交換の順番待ちが続く。二ツ屋町のガソリンスタンド「リバーサイド二ツ屋」では、1週間近く予約待ちもあったという。担当者は「今冬は忙しくなると見込んで早めの交換を呼び掛けたが、寒くなるまで交換する人は少なかった」と振り返った。