「正直、オオタニに不安もあったよ」ドジャース現地ファンに聞いた“大谷翔平への本音”「野球に興味がない人もオオタニを見に来る」「1015億円は正当化されたね」
「野球に興味がない人もオオタニを見に来る」
大谷はエンゼルス時代に2度、MVPを獲得している。投打の二刀流もアメリカに衝撃を与えた。それでも新天地となれば不安が生まれるものなのか。しかしクインシーさんは、今シーズンを経て大谷に対する評価をこう変えた。 「オオタニがホームランを量産することは知っていたけど、ここまで走れる選手だったとは知らなかったよ。それに、彼の場合は投手までやるんだよ? 近年の野球界のスター選手と明確に違うのは、彼が野球に興味のなかったファンまで球場に向かわせていることだと思うな。この活躍で、間違いなく巨額契約は正当化されたよね」 そして、こうも言った。 「オオタニの今シーズンは文句なしだよ。でも、ドジャースというチームで真のレジェンドになるためには、この成績を残し続けていく必要がある。それがスーパースターだから。それに、時が経つにつれて、彼の性格もさらに認知されていくと思うね」
「今日は勘弁してくれ」「必ず全試合チェックしているよ」
声をかけた2人目は、背筋を伸ばし、ピクリとも動かずに試合を見つめる青年だ。 彼の隣に座る友人から話しかけられても、一言二言返すだけでフィールドから目を離さない。スマホに触れることもない。その表情は観戦を楽しんでいるというよりも、緊張しているように見える。イニングの合間に筆者が、少し話を聞きたいと伝えたところ、「今日は勘弁してくれ。そうだ、明日はどう?」と短い返答。この日は連絡先だけ交換して、翌日に取材をすることにした。 彼の名はデクスターさん、20歳。ドジャースタジアムからわずか15マイルの距離にあるガーデナで生まれ育った。両親の影響を受けた幼少期からのドジャースファン。「ドジャースの試合は1つたりとも見逃したことがない」という筋金入りだ。現在は地元を離れ、アリゾナ州立大学に在学している。この日はそのアリゾナから車で6時間かけて、1泊2日の観戦旅行に訪れた。 「一瞬でも試合から目を離せば、僕の祈りが途絶えて、チームが負けそうな気がしていたんだ。何が起こるかわからないのがポストシーズンだからね。地元にいた高校までは、年に30回くらい現地で観戦していたんだけど、今は授業があるから9月から5月はなかなか球場に来れない。生観戦は年に10回くらいかな。それでも、ドジャースの試合時間はWi-Fiにアクセスできる環境から離れないようにして、必ず全試合チェックしているよ」 大谷のドジャース加入が発表された昨年12月9日のことだ。デクスターさんはガールフレンドを迎えるため、ロサンゼルス国際空港にいた。そこで見た信じられない光景とは――? <後編に続く>
(「メジャーリーグPRESS」田中仰 = 文)
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