【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…11月第2週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」
衆院選で2009年ぶりに与党敗北の結果となり、米国の大統領選挙も間近に控えるなか、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、今週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな「注目の経済指標」について、東京海上アセットマネジメントが解説します。 【画像】「30年間、毎月1ドルずつ」積み立て投資をすると…
前週は衆院選などの影響で「円売り米ドル買い」優勢
為替市場では、衆議院議員総選挙で与党が議席数を⼤幅に減らしたことで、拡張的な財政政策と緩和的な⾦融政策を志向する野党との連携を模索し、⽇銀の追加利上げが遠のいたとの⾒⽅が広がったことや、トランプ候補が勝利するとの⾒⽅から⽶⾦利が上昇。 それらを受け、円売り⽶ドル買いが優勢となり、30⽇にかけて1⽶ドル=153円前後での推移が続きました。 その後は、植⽥⽇銀総裁が追加利上げに前向きな姿勢を⽰したことをきっかけに円⾼⽶ドル安に転じ、11⽉1⽇には1⽶ドル=152.05円と10⽉25⽇(152.16円)とほぼ同⽔準となりました(図表1)。
今週は、「9⽉の毎⽉勤労統計」や「FOMC」などに注⽬
9⽉の毎⽉勤労統計やFOMCなどに注⽬しています(図表2)。 8⽉の毎⽉勤労統計では、電気・ガス代の補助⾦終了に伴い、物価上昇率が拡⼤したことで、実質賃⾦が前年⽐▲0.8%と3ヵ月ぶりにマイナス転化となりました。 もっとも、電気・ガス代の補助⾦が復活する9⽉以降は、春闘賃上げを反映して所定内給与など名⽬賃⾦が⾼い伸びを維持するなか、物価上昇率が鈍化することが⾒込まれることから、実質賃⾦はプラス基調に転じることが予想されます。 また、連合が2025年の春闘で、基本給を⼀律に上げるベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ⽬標について、2024年春闘と同じ「5%以上」とする⽅針を固めたことも、名⽬賃⾦の押し上げにつながることから、2025年⼊り後も実質賃⾦はプラスが定着する可能性があります。 こうした所得環境の改善は個⼈消費を下⽀えするほか、「賃⾦と物価の好循環」実現を⽬指す⽇銀にとって、追加利上げのサポート材料になると考えられます。 今回のFOMCでは、政策⾦利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導⽬標レンジを0.25%引き下げ、従来の4.75%~5.00%から4.50%~4.75%へ変更することが予想されています。 インフレ率の鈍化や労働市場の軟化を理由に、追加利下げにより⾦融引き締めの度合いを⼀段と緩めることが適切と判断するとみられます。 もっとも、11⽉1⽇に公表される10⽉の雇⽤統計が労働市場に対する不透明感を払しょくする内容となれば、11⽉FOMCでの追加利下げは⾒送られる可能性があることにも注意が必要です。 東京海上アセットマネジメント ※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…11月第2週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」』を参照)。
東京海上アセットマネジメント株式会社
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