県警機動隊の訓練 記者が体験
続いては特集です。爆発物・不審物の調査や処理や災害現場での救助活動など、様々な場面で対応するのが県警の機動隊です。今回、県警が機動隊の訓練の様子を公開し、そのなかで実際に行われた訓練をQABの記者が体験しました。 沖縄県警の機動隊では、要人警護や爆発物処理、災害時の救助活動など様々な場面に対応するため、隊員たちが日々厳しい訓練に臨んでいます。多くの県民に機動隊の活動を知ってもらおうと、今回訓練の一部が公開されました。 要人警護 要人警護の訓練は、総理大臣を乗せた車両に不審な車が近づく想定で行われました。総理の乗った車の後ろを走る警護車両が、接近する車との間に素早く入ります。危険を察知する判断と運転技術が必要で訓練は欠かせないといいます。 爆発物処理 ことし、那覇市役所や那覇空港で爆発物の可能性のある不審物が見つかった際に出動したのが機動隊の爆発物対応部隊です。隊員はX線を使って中身を確認し、爆発物だった場合は特殊な道具で不審物を専用の車両に入れて処理施設に運びます。 シールドだけで30キロもあるほか、身を守るために着るスーツも30キロあまりになります。どれだけの重いのか実際に体験してみると 盾を持ちきれないようすで、記者「無理です」「上がらないです」全く動くことができませんでした。 機動隊員「1時間くらいこの恰好で移動して対応することもある」爆発物の処理には技術だけでなく、スーツや盾を使いこなす体力も必要です。 レスキュー訓練 次に私が体験したのは、災害時に人命救助や捜索などを行う訓練です。実際に使用される15キロほどの酸素ボンベを背負い、崩れた建物の狭い隙間から被災者を救助する場面を想定しています。 狭い空間を周りに当たらないよう慎重に這って進み、その後、動けない人をのせた救助用のソリを引っ張り出します。 機動隊員「自分たちが(がれきなどに)当たってしまい、倒壊を助長するというのが一番危険なことなので、当たったりしないというのを気を付けて活動するのが大事です」 思うように呼吸ができない状況では3人がかりでも1人の人間を運ぶのは体力を奪われ、200メートルほどでへとへとになってしまいました。 濱元晋一郎記者「息が(思い通りに)吸えない」「持ち続けるだけで大変」 隊員らはことし1月には能登半島地震で被災した石川県に派遣されていて、自衛隊や消防隊員と捜索などを行いました。県内外を問わず災害があればいつでも駆け付けて活動できるように日々備えています。 機動隊員「(災害現場対応では)スピードが大事で、できるだけ早く要救助者を助けるというのと、けがをしていればそれ以上に悪くならないよう考えて運び出す、そういったことを考えながら(訓練を)するのが大事」 最後は重さ10キロのプロテクターと5・5キロの盾をもって走る基本の訓練。最初は余裕だと思いましたが、2~3分でへとへとになってしまいました。 走り始めて20分後、やっと終了かと思いきや、教官「まだ走りたい人はいますか?」隊員「はーい」教官「まだまだ走りたい人はいますか?」隊員「はーい」また走り出しました。その後さらに8分ほど走り続け、訓練は終了しました。 濱元晋一郎記者「みんなと声をあわせて走ってすごく楽しかったです」「そもそも盾がとても重い」「それを持って走るというのはすごく疲れた、足が震えている」 実際の訓練は今回の倍以上走ったり、盾の扱い訓練などがノンストップで行われるということです。 県警 機動隊 東濵 貴大 隊長「自分命を守りながら人の命を守るのは人の2倍以上の体力が必要」「厳しい訓練に耐えるために、そのようなモチベーションで二人前以上の体力を持つという気持ちで(訓練を)しています」 県民の安全と秩序を守るため様々な場面に向き合う機動隊員。きょうも訓練を続けます。