連合愛知が社会貢献へ農場開園…県内2か所、障害者の就労支援や生活困窮者らへの収穫物寄付
愛知県内の労働者55万人が加入する「連合愛知」(名古屋市熱田区)が、2か所目となる農場を西尾市に開園した。農業体験を通じた食育や障害者の就労支援を後押しするとともに、収穫した農作物を生活困窮者らに寄付する取り組みを拡大していく狙いだ。(乙部修平)
11月中旬、海岸に面した西尾市寺部の一角に広がる農場では、ジャガイモが青々とした葉を茂らせていた。新たに開園した「ここあファームHazu(ハズ)」は、耕作放棄地をよみがえらせた。雑草抜きなどの手入れには障害者福祉施設の利用者が加わる。畑は現在約600平方メートル、今後は、水田も整備していく予定だ。
連合愛知は2019年、結成30周年の記念事業として津島市に初の農場「ここあファーム」を開園した。組合員が家族連れで農業体験できる場として重宝されるとともに、障害者の就労支援やフードバンクへの農作物の寄付が社会貢献にもつながるとして、関係者から好評を得ている。
ハズは、三河地方に住む組合員も利用しやすく、社会貢献をさらに拡大させるため、今年6月、2か所目として開園された。農場周辺にはホテルや児童遊園施設もあり、地元NPOなどと連携して、地域活性化に向けた活動も目指す。
18日には、農場で収穫したサツマイモ約150キロが、西尾市のボランティア団体「フードバンクにしお」に初めて寄付された。今後もジャガイモやニンジンなどを継続的に提供していく予定で、野菜はフードバンクの他、市内10か所の子ども食堂で利用される。
食材も物価高の影響を受けており、フードバンクにしおの布間裕子代表は「一時的に食材が不足することもある。組織からの継続的な支援は大変助かる」と感謝する。連合の中島裕子事務局長は「余ったものではなく、新鮮な野菜を提供できる。社会貢献を拡大するとともに、地域活性化にもつなげていきたい」と話している。