カタールがハマス指導部を追放か 米政権、人質解放拒否を受け要求
【ワシントン=大内清】パレスチナ自治区ガザを巡る停戦協議が停滞する中、バイデン米政権がカタール政府に対し、同国にあるイスラム原理主義組織ハマスの在外指導部を追放するよう求め、カタール政府がそれを了承したことが8日分かった。ロイター通信などが米政府高官の話として報じた。 バイデン政権は停戦協議の一環としてハマスが拘束している人質の解放を求めている。ロイターによると、ハマスが数週間前に提案を拒否したのを受け、米側はカタール政府に「米国がパートナーとする国の首都にハマス指導者の居場所はない」と伝達。カタールは10日ほど前にハマス側へ国外への移転を要求した。ハマス当局者はこの情報を否定しているという。 米国とカタールはエジプトとともにイスラエルとハマスのガザ停戦協議を仲介。バイデン政権は米国人を含む人質の解放を優先するが、ハマスには重要な交渉カードを失いたくないとの思惑があるとみられる。 ハマスは2012年、シリア内戦の影響で同国首都ダマスカスにあった在外指導部をカタールの首都ドーハに移した。カタールはハマスに資金を提供する一方でその活動に影響力を行使してきた。