「失敗したくない」慎重派の子どもにヤキモキ…プロはやらない子供への声かけとは?
娘が年長さんの頃のこと。保育園の先生から「自分が得意じゃないと思っていることに最近挑戦しなくなってしまって…」と言われてショックを受けました。 【頭のいい子の育て方】全国トップレベルの子どもの親が「絶対にやらないこと」 みなさんも「子どもが消極的で…」「失敗する、負けることを恐れている様子が気になる」「小学校に入ってやっていけるのだろうか」などと心配することはありませんか? 慎重な様子、失敗を怖がる様子が見受けられる子どもへの対応・NG声かけ・おすすめの本を紹介します。 モンテッソーリ教育の先生になり、100名以上の生徒さんの成長を見守っていて気づいたのは「子どもの慎重な様子、失敗を怖がる様子」はあるあるだ、ということ。 ・鉛筆で書きたがらない ・少しでもはみ出たり間違うとやめてしまう ・好きなワークしかしない ・パズルを完成させられず途中で諦める などです。 モンテッソーリ教育では、子どもが集中して活動するサイクルをこう考えています。 ①自己選択 ②活動の繰り返し ③集中現象 ④正常化(穏やかになり、自分のペースで生き、自分のやりたいことを自覚し実現することが可能になった状態のこと) ※参考:相良敦子(2009年)モンテッソーリ教育を受けた子どもたち―幼児の経験と脳 河出書房新社 「自己選択」は集中して活動をする第一歩。子どもたちは自分が何をしたいのか、つまり今の自分の発達課題をとてもよく理解しています。 逆にいうと、「これは、今はまだうまくやるには早いかも」というものには慎重になるのは当然なんです。 社会性が目覚めてる子どもは特に親や先生の前では、失敗したくないし、間違いたくないし、お友達には負けたくないと思っているんです。 ではモンテッソーリ教師となった私は自宅で子どもにどのように声をかけているでしょうか。
やり方を「やってみせる」
「子どもはできないのではなく、やり方を知らないだけ」 というモンテッソーリ女史の言葉があります。 モンテッソーリ教育では、やり方を言って聞かせるのではなく「実際にやってみせる」ことを大事にしています。提示や提供とよばれます。ゆっくりと、動作を分けてやるのがポイントです。 先ほどの例でいうと ・鉛筆の持ち方をゆっくり見せる ・はみ出しずらい運筆ワークを用意する ・避けているワークやパズルは親も一緒に楽しむ というようなことです。 そのほかには ・今は他のことに興味関心があるのなら、慎重になっているものに興味が湧くその時を待つ ・発達的に手前の活動に戻る(鉛筆を持ちたがるが、まだ三本指で摘む動作が育ってないので、ペグさしで遊ぶ、など) ・親が楽しんでやってる様子を見せる ・正解を自分で作れる活動(工作や料理など)を意識的に増やす (できるできないを大人からジャッジされ続けていると慎重にならざるをえないため) なども必要な視点です。