防災の日の今日確認しておきたい! 大災害時にクルマを有用な避難所にするための「事前準備」とは
災害時にはクルマは便利で快適な避難空間になる
この夏、日本列島は大地震、台風、大雨に見舞われ、各地で被害が報告されている。9月1日は関東大震災から101年目の防災の日。改めて防災意識を高めている人、家庭も多いと思う。 【写真】こうすればクルマが避難所に! 災害に備えたい車内用グッズたち(全41枚) 大災害の際、もし家にいられない状況になったとき、クルマが無事であれば、役立つのがクルマの車内空間だ。エアコンが利き、ラジオまたはTVで情報収集ができ、USBソケットで災害時の命綱ともいえるスマートフォンの充電もできる空間になるのだから心強い。 さらに、シートのフラット化でプライバシーが守れる”マイ避難所”として機能し、お座敷化、ベッドルーム化も可能となる。 しかし、2004年10月の新潟中越地震、2016年4月の熊本地震でも報告されたように、車内に避難したとしても過ごし方によって「エコノミー症候群」とも呼ばれる、命にかかわる血栓症を引き起こすことがあるから要注意である。 ここでは、3.11東日本大震災で被災した筆者の経験、それ以来の防災研究から、万一、車内避難を余儀なくされたときの過ごし方、必要な防災用品について解説したい。 まずは車内の過ごし方について。新潟中越地震、熊本地震で車内に避難し、「エコノミークラス症候群」を患った人の話を聞くと、シートに腰かけたまま長時間に渡って過ごしていたという。座ったままの状態でいるのは血栓を引き起こすため極めて危険だ。やはり、体を休めるためにも、足を伸ばした姿勢でいられることが重要となる。 そこで、愛車がシートアレンジによってフラット化、ベッド化できるかを確認したい。ミニバンなどはそれが売りになっていて、シートアレンジをした経験のあるユーザーも多いはずだが、意外にも軽自動車でも、前後席のフラット化によって、大人がゆったりと横になれるシートアレンジが可能なこともある。 スズキ・ハスラーを例に挙げれば、コンパクトなクロスオーバーモデルながら、前後シートのフラット化によって、なんと全長2040mm、幅1090mm(部分的)ものお座敷、ベッドスペースがアレンジできるのである。 純正アクセサリーに「リラックスクッション」なるマットレスも用意されている(汎用)。 そこで、初めての車内避難に向けて、自身の愛車がフラットアレンジできるか、できたとしたら実際に座り、横になって、不快な凸凹などをチェック。どうやったらより快適に過ごせ、横になれるかをあらかじめ確認し、フラットにできるように準備(マットレスや詰め物)しておきたい。 ここで裏技をひとつ。筆者のコンパクトステーションワゴンの場合、後席を倒し、ラゲッジルームとつなげたときのフロア長(ベッド長)は1670mm。しかし、筆者の身長は172cmである。 これでは真っすぐに横になれない……と諦めるのは早い。じつは、後席のヘッドレストを逆向き(表裏)に付けることで、ベッド長が伸び、しかもヘッドレストが枕がわりになるというアレンジが可能。やってみると、ヘッドレストの高さぶん、ベッド長が稼げ、身長172cmの筆者が足を真っすぐに伸ばして横になることができるのである。